2021 Fiscal Year Research-status Report
腰痛予防対策指針をふまえた看護基礎教育における移動技術教育プログラムの普及と実装
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20K10662
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
水戸 優子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (70260776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 直子 京都先端科学大学, 健康医療学部, 教授 (80153881)
國澤 尚子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (20310625)
若村 智子 京都大学, 医学研究科, 教授 (40240452)
平田 美和 東京医療保健大学, 看護学部, 講師 (10325988)
冨田川 智志 滋賀医科大学, 医学部, 特任助手 (90441881)
首藤 英里香 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (90336412)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腰痛予防 / 看護基礎教育 / 移動技術 / 移動用具 / ノーリフティング / 移乗用具 / 移動動作 / 普及 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護基礎教育において「職場における腰痛予防対策指針(2013年厚生労働省)」に基づく移動技術教育プログラムの普及と実装を目的としている。2年目である2021年度は、腰痛予防対策のために「用具を使用した移動技術に関するエビデンスおよび方法の知識」をQ&A冊子として整理し、webでの公開を開始した。合わせて「用具を使用した移動技術教材動画」を8本作成しYouTube配信を開始した。これらは日本看護技術学会のホームページを拠点として公開を開始したが、次年度には移動技術教育情報を配信するプラットホームを開設し、そこから配信する予定である。 一方、これらの「用具を使用した移動技術Q&A冊子と動画」を用いて、全国の看護教員向けのオンライン研修会を2回実施した。参加者数は合計60名程度であるが、参加者評価では「たいへんよい」の評価が多数をしめた。 さらに、用具を使用した移動技術教育の普及活動に関する診断的・形成的評価を目的に、全国7大学の看護学生4年生を対象に、移動技術教育に関するweb実態調査を行った。結果、161名からの回答が得られ、腰痛経験の実態、腰痛予防の対策の有無、ボディメカニクスの知識、ノーリフト原則の知識、用具の使用状況についての実態を明らかにした。学生のうち約2割が腰痛を持ち、約半数が腰痛予防の対策を取っていることが分かった。ボディメカニクスの知識はほぼ100%の学生が持っている一方、ノーリフティング原則の知識は2割の者しか知っていなかった。ただし、用具の使用経験は約半数はあることから、用具使用とノーリフティング原則の意図がつながって理解されていないことが推察された。したがって、今後の教育において、用具を使用した移動技術の教育とともにノーリフティング原則の知識を含めた教育が必要と考えられた。この結果は、次年度の研究活動に反映していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言などにより、看護基礎教育機関に所属する当該研究者も制限を受けるとともに、研究対象者である看護基礎教育機関の教員も研究協力を得ることが難しい状況が続いたため、当初予定していた研究活動(教育プログラムを用いた研修会の開催と個別教員のコンサルテーション開始)までは、実施が困難であった。ただし、看護基礎教育機関全般で通信環境が整ったことを受けて、オンライン研修会や動画のYouTube配信など用具を使用した移動技術教育教材の作成、工夫をすることができた。今後はさらに、移動技術教育プラットホームを開設するとともに、教員向け研修会を対面とオンラインの両方で計画することで、研究取り組みの遅れを取り戻す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に用具を用いた移動技術の知識と方法に関する冊子および動画の配信、これらを用いての教育に関するオンライン研修会を対面とオンラインのハイブリッドで開催していく。一方で、移動技術教育プラットホームを開設し、最新情報を提供できるしくみ作りを行う。 さらに、これらの教育方法について修得した看護教員が行った教育活動の成果を事例として収集していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により、対面での研修開催計画が立てられず、旅費および会場費の執行がなかったため残額が生じた。ただし、研究プログラムに活用できるQ&A冊子の作成および教材動画作成のための人件費、学生を対象とした実態調査の実施に執行した。次年度に向けて対面研修のための折り畳み式リフトの購入および移動技術教育用オンラインプラットホームの作成及び評価活動に計画的に費用を執行していく。
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Research Products
(5 results)