2021 Fiscal Year Research-status Report
Development and evaluation of "Wearable drip simulator" capable of observing puncture site and blood backflow.
Project/Area Number |
20K10664
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
玉田 章 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (50252151)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シミュレーション教育 / 点滴静脈内注射 / 看護学 / シミュレータ |
Outline of Annual Research Achievements |
看護学実習においての学生の看護行為の実施については、患者の安全確保のために実践可能レベルにまで技術を習得させて臨ませる必要性がある。本研究では、点滴静脈内注射(以下、点滴)の管理として必要な技術である滴下スピードの調整や血液逆流防止が学べる「点滴滴下シミュレータ」を開発し、その学習効果を検証することを目的としている。 2021年度は、「点滴滴下シミュレータ」の開発を完了し、それを学生を模擬患者とした学内演習で使用して学習効果を調査する予定であったが、新型コロナ感染症対応のために「点滴滴下シミュレータ」の開発が遅れ、また新型コロナ感染症拡大防止のために学内演習を中止することとなった。しかし幸いにも学内演習を中止にしたことにより「点滴滴下シミュレータ」の開発に十分な時間をかけることができた。「点滴滴下シミュレータ」は、滴下した薬液を貯留させる仕組みが重要であり、複数のアイディアをもとに試作を繰り返し、可撓性のある袋体にすることで薬液滴下を阻害することなく点滴の逆流を再現することに成功した。「点滴滴下シミュレータ」は、この袋体とそれを収納するケース、ケースを人体に装着する固定部からなる構造とした。ケースについては2021年12月にプラスチック板で試作品を造形し、学内演習において多数を使用するため業者(株式会社オクムラ:松阪市)に3Dプリンターによる製作を依頼した。固定部については、既製のマジックバンテージなどの流用が可能であることから、当初予定していた業者に製作を依頼することなく「点滴滴下シミュレータ」を完成させることができた。 なお、「点滴滴下シミュレータ」については、装着型点滴シミュレータの名称で2022年3月31日に特許出願を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「装着型点滴滴下シミュレータ」の学習効果を評価するために、その対照となる従前の方法(前腕部に留置部分を切ったカテーテルをドレッシング材で固定して吸水パットで覆って滴下)で行った点滴学習についてのデータ収集は2020年に実施することができた。しかし、2021年度においては、新型コロナ感染症感染拡大のために授業や実習のへの対応が必要となり「点滴滴下シミュレータ」の開発が遅れた。また、「点滴滴下シミュレータ」を使用する予定としていた学内演習を中止としたこともあって、シミュレータを使用した学習効果の調査は2022年に実施することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、「装着型点滴滴下シミュレータ」の学習効果を評価するために学内演習で使用する同シミュレータを約40個作製する。「装着型点滴滴下シミュレータ」を使用した演習は2020年度に行った演習と同様に3年生100名を2クラスに分けて実施する。その際には2020年度と同様に点滴設定の時間測定と点滴学習に関する調査用紙を用いる。得られたデータを分析し、論文作成にとりかかる。装着型点滴シミュレータの名称で出願した特許については、早期審査請求を行い、年度内の特許取得を目指す。 なお、学内演習が新型コロナ感染症の影響で中止せざるを得ない場合には、学習効果の調査は2023年に延期する。
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Causes of Carryover |
「2021年度においては、新型コロナ感染症感染拡大のために授業や実習のへの対応が必要となり「点滴滴下シミュレータ」の開発が遅れた。また、「点滴滴下シミュレータ」を使用する予定としていた学内演習を中止としたこともあって、シミュレータを使用した学習効果の調査を2022年に実施することとした。2022年度には、その調査に使用するため「点滴滴下シミュレータ」のケース作製を業者(株式会社オクムラ:松阪市)に依頼し、調査の準備を行う。
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Research Products
(1 results)