2020 Fiscal Year Research-status Report
慢性心不全患者の末梢循環不全を改善する積極的看護介入の確立と普及
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20K10671
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
河野 かおり 獨協医科大学, 看護学部, 准教授 (60619625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 晃男 獨協医科大学, 医学部, 教授 (20168454)
山本 眞千子 茨城キリスト教大学, 看護学部, 教授 (20295380)
金子 健太郎 茨城キリスト教大学, 看護学部, 講師 (40714358)
中島 敏明 獨協医科大学, 医学部, 特任教授 (50227790)
茅島 綾 獨協医科大学, 看護学部, 助教 (70811503)
阿部 七郎 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80275718)
福岡 知子 茨城キリスト教大学, 看護学部, 助教 (10881526)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 慢性心不全 / 末梢循環不全 / 自律神経活動指標 / 冷え症 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全では交感神経活動が亢進し、副交感神経活動が低下しており、これらは心不全の重症度に応じて強まる。このような自律神経機能の変化は心不全の代償機転の1つであり、心臓・脳などの重要臓器の血流維持のために、交感神経活動の亢進により末梢血管が収縮し、血流の再分布が起こる。血管収縮は、心不全の増悪に伴い著明となり、末梢循環不全が生じ、臨床徴候として四肢の冷感・チアノーゼが出現する。これまでに私たちは、冷えを自覚する健常冷え症者において、交感神経活動の亢進と副交感神経活動の低下、および末梢皮膚温・末梢皮膚血流量の低下を明らかにしており、慢性心不全患者における末梢循環機能は、健常冷え症者に比べてさらに低下していると推察する。心不全の病態は、心臓以外の諸臓器とも密接に関連し複雑なものとなっており、心不全患者の末梢循環動態の検討には、病態の重症度や合併症との関連を検討することが不可欠である。 本研究の目的は慢性心不全患者において、心不全の重症度と末梢循環動態および自律神経活動の関連を検討することであり、継続的な温熱刺激ならびにSBEが副交感神経活動を高め末梢循環不全を改善する看護介入方法であることを実証し、これを普及することである。 令和2年度は慢性心不全患者の自律神経活動指標・末梢循環動態指標の測定を行い例数を蓄積する計画であったが、COVID-19感染拡大防止のためデータ収集を中止した。これまでに測定したデータを基に心不全の重症度との関連についての検討を行った。その結果、慢性心不全患者において、末梢冷感のある例は、皮膚血流量と末梢皮膚温が低下しており、健常冷え症者よりも鼓膜温と母趾温の較差が大きくNYHA分類における比較では、NYHA I度の例に比べNYHA II度以上の例で末梢皮膚温が低下しているという結果を見出した。この結果を第73回日本自律神経学会学術集会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19感染拡大防止策のため、患者を対象としたデータ収集を中止したため。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19感染状況を見極めながら、臨床においてデータ測定を行い症例数を増やす。これに加えて、これまでに測定したデータを心不全の重症度分類、既往歴や年齢に基づいた分類の観点から再度、詳細に分析をし、論文投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大防止策により臨床におけるデータ収集を中止したため予定していた機器の購入をしなかった。また、測定に伴う消耗品の使用もなかったため次年度使用額が生じた。 次年度の使用計画としては、足部血流量計の購入とデータ測定に伴う消耗品の購入、論文投稿費を計画している。
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Research Products
(1 results)