2020 Fiscal Year Research-status Report
皮膚への刺激を低減する清潔ケア開発のための基礎的研究
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20K10674
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
石井 和美 金沢医科大学, 看護学部, 助教 (50804184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 弘子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (70551167)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 清拭 / 清拭圧 / 清潔ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、脆弱な皮膚への清拭刺激が皮膚の裂傷(スキンテア)の要因となりうることが報告され、皮膚への摩擦を避けるケア方法が推奨されている。本研究では、患者への安楽な清拭ケアの実践に向けて、皮膚への損傷を予防する清拭ケア方法の考案を目指すことを目的に、看護師が実践する清拭圧の可視化から皮膚への刺激を最小とした清拭圧を提示し、その清拭効果を明らかにする。2020年度は、臨床看護師を対象に圧力可視化フィルムを用いた清拭圧の可視化と拭き方に関するインタビューによる実態調査を行った。調査は、臨床看護師12名を対象に3条件の清拭を患者役の前腕部内側に貼付したシート上に実施してもらい、専用の圧力解析ソフトを用いて圧力値の算出と圧分布の可視化を行った。インタビューは清拭終了後に実施し、通常時の清拭方法、素材の違いによる(綿タオルとディスポタオル)拭き方の違い、脆弱な皮膚に対する清拭方法、タオルの扱い方について(タオルのさばき方、タオルのたたみ方、持ち方、冷めないための工夫、タオルの保温方法など)、拭き方(方向や回数など)、タオルの扱い方、拭き方のこだわり、力加減などを確認した。調査の結果、12名の看護師の清拭圧については、素材の違いによる差は見られなかったが、インタビューでは用いる素材によって圧を加減しているという回答が得られていた。また、脆弱な皮膚に対しては、通常の皮膚に対する清拭方法とは異なり、「押さえ拭き」を実施する看護師がほとんどであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ収集の時期が新型コロナウイルス感染症の拡大によって少々遅れてしまったものの、今年度予定していたことはほぼ実施できたため、おおむね順調に経過していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は実態調査より得られた結果を基に、脆弱な皮膚に対する清拭圧と拭き方を考案する。考案した清拭方法は、地域在住高齢者ないし健康な成人を対象とした調査を実施し、清拭前後の清浄度、皮膚バリア機能への影響、主観的評価から分析を行い、皮膚への刺激を低減させる清拭方法としての有効性を検討する。次年度も新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、調査実施に影響が出ることが考えられるが、迅速に対応できるよう準備を整えておく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、旅費の使用がほとんどなかったために次年度使用額が生じた。研究計画は概ね順調に進展している。次年度は外注費(インタビューのデータ入力)のために使用する。
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