2022 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚への刺激を低減する清潔ケア開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
20K10674
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
石井 和美 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (50804184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 弘子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (70551167) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 清拭 / 清拭圧 / 清潔ケア / 可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、脆弱な皮膚への清拭刺激が皮膚の裂傷(スキンテア)の要因となりうることが報告され、皮膚への摩擦を避けるケア方法が推奨されている。本研究では、患者への安楽な清拭ケアの実践に向けた清拭技術の基礎的検討を目的とし、臨床看護師による異なるタオル素材を用いた清拭圧の可視化と拭き方の認識について検討を行った。また、圧力測定フィルムの妥当性を検討するため、清拭圧と拭き取り効果の関係性を検討した。12 名の臨床看護師が同一健常皮膚の両前腕内側部への綿タオルまたはディスポーザブルタオルによる部分清拭を実施し、加圧面積、平均圧力、最大圧力、荷重と変動係数(圧変動)を算出した。結果、すべての指標において有意差はなく、臨床看護師による健常皮膚への清拭では2種類のタオルのどちらを使用してもほぼ同じ圧で清拭が行われていることが示唆された。また、拭き方については、臨床看護師は用いる素材によって「圧を加減している」こと、脆弱な皮膚では通常の皮膚に対する清拭方法とは異なり、「押さえ拭き」を実施するという回答が多く聞かれた。清拭圧と拭き取り効果の検討では、4条件の清拭圧の違いによる蛍光ローションの拭き取り率を算出した。結果、6kPa以下の清拭圧では25%程度、11kPaでは50%程度、20kPaでは90%程度、39kPaでは約98%の拭き取り率を示したことから、清拭圧の強さによって拭き取り効果が異なることが示された。また、本結果から、清拭圧を測定するためのツールとして、圧力測定フィルムが有用であると考えられた。
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