2020 Fiscal Year Research-status Report
総合的評価による新しい退職指標の開発:看護管理質指標としての妥当性・実用性の検証
Project/Area Number |
20K10680
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武村 雪絵 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (70361467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國江 慶子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (80748898)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護管理 / 看護職 / 離職 / 質指標 / 組織運営 / エンプロイアビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、離職の性質を個人・組織・潜在的雇用先の立場から総合的に評価して類型化する手法を開発すること、及び、類型を用いた離職指標(類型別離職率、離職者の累計構成比など)を開発し、当該組織の組織的要因や勤続中の看護職員の職務関連認知、転職検討意向、離職意向との関連を検証して、看護管理の質指標として用いることの妥当性・実用性を検証することを目的とする。 看護職の離職が組織に及ぼす影響について、何を評価指標に組み入れるべきかを明らかにするために、デルファイ調査を実施する計画である。2020年度はその第1段階として、文献レビューと病院の看護管理者へのヒアリングを実施し、離職が組織に及ぼす影響に関する項目を網羅的に抽出した。現時点では、看護職員の構成や労働状況、診療実績や診療収入、看護ケアのパフォーマンスやケアの質、医療安全、組織風土、成長機会や教育体制、看護職員の心身の健康、患者アウトカムへの影響に関する項目が抽出された。2021年度は、これらの中で評価すべき項目を同定するために、看護管理者を対象としたWEB調査を実施予定である。 看護職の離職の潜在的雇用先(看護労働市場)にとっての価値については、転職活動をする既卒看護師のエンプロイアビリティ(雇用可能性)から評価することとした。医療介護施設3500施設に7000人分のIDを配布し、採用判定者220名(有効回答率3.1%)から回答を得て、コンジョイント分析により、医療介護施設が既卒看護師を採用する際に重視する要素とその重みづけの違いを施設種類ごとに明らかにした。今後、離職者のエンプロイアビリティを評価することで、組織の離職が潜在的雇用先に与える影響を評価することが可能になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は新型コロナウイルス感染症の流行拡大がスタッフ看護職の離職に影響を与えた可能性があったため、離職したスタッフ看護職に離職理由やその影響を尋ねる調査は実施せず、代わりに看護管理者を対象とした調査を先行して進めることとした。潜在的転職先にとっての離職の価値(転職活動者のエンプロイアビリティ)の評価指標を抽出する研究は、予定より1年前倒しでWEB調査を実施することができた。離職が組織に及ぼす影響についても、看護管理者対象のヒアリングを開始し、予定通り次年度にWEB調査を行う準備を進めることがきた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の流行状況を考慮し、オンラインインタビューやWEB調査を積極的に活用していく。
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Causes of Carryover |
感染症対策で情報収集やインタビューをオンラインで実施したため、旅費を節減できた。次年度は調査を実施予定だが、節減した分をWEB調査の設計・実施に当てる予定である。
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