2021 Fiscal Year Research-status Report
総合的評価による新しい退職指標の開発:看護管理質指標としての妥当性・実用性の検証
Project/Area Number |
20K10680
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武村 雪絵 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (70361467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國江 慶子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (80748898)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護管理 / 看護職 / 離職 / 質指標 / 組織運営 / エンプロイアビリティ / デルファイ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、個人・組織・潜在的雇用先の立場から離職を総合的に評価する離職指標を開発し、看護管理の質指標としての妥当性・実用性を検証することを目的とする。 看護職の離職が組織に及ぼす影響について、評価指標に組み入れるべき項目を明らかにするために、政令指定都市、東京都23区に在所し病床数で層化無作為抽出した712病院に勤務する看護部長、副看護部長、看護師長相当を含む看護管理者を対象に、2021年7月~10月に計3回、オンラインのデルファイ調査を実施した。2020年度に抽出したアイテムプールを専門家インタビューにより追加・修正し、63項目について「離職の影響」及び「看護管理上の重要性」をそれぞれ4段階で尋ねた。3回目調査を含めて複数回回答した232名(有効回答率8.7%)を分析対象として、「離職の影響」「看護管理上の重要性」の双方に51%以上の同意が得られた項目を抽出した。全項目が看護管理上重要だと同意されたが、離職の影響があると同意が得られたのは36項目であった。探索的因子分析の結果、「看護ケアの質」「看護職員の心身の健康」「看護職員の労働負荷・労働状況」「看護職員の関係性」「看護職員の役割意識・責任感」「代替人員の採用に伴うコスト・ベネフィット」の6因子が抽出された。2022年度はこれらの項目が離職が組織に与える影響の評価指標となりうるかの検証を行う。 一方、看護職の離職の潜在的雇用先にとっての価値は、2020年度、医療介護施設の採用判定者を対象に調査を実施した。220名(有効回答率3.1%)の回答をコンジョイント分析し、既卒看護師を採用する際に重視する要素とその重みづけの違いを施設種類ごとに明らかにした。これらの要素は、転職活動をする既卒看護師のエンプロイアビリティ(雇用可能性)の評価指標になると考えられる。 最終的にこれらの結果を統合し、離職を総合的に評価する指標を提案する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行拡大の影響はあったが、2020年度は潜在的雇用先における離職者の価値について、2021年度は離職が組織に与える影響について、前倒しして、全国から無作為抽出した対象に調査を実施することができた。ただし、看護職員を対象とした調査は、新型コロナウイルス感染症流行拡大の影響を受けて、2022年度に持ち越すこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、オンライン調査を活用し、研究協力依頼のタイミングを配慮することで、新型コロナウイルス感染症流行が続く中でも研究を遂行する計画である。
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Causes of Carryover |
退職施設の看護管理者を対象とした調査を前倒しで2021年度に実施したため、その分の経費について前倒し請求を行った。しかし、新型コロナウイルス感染症流行拡大の影響で、看護職員対象の調査が実施困難となり、この分の経費を執行できなかった。全体としての研究進捗は計画通りであり、2022年度に実施予定である。
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Research Products
(2 results)