2022 Fiscal Year Research-status Report
総合的評価による新しい退職指標の開発:看護管理質指標としての妥当性・実用性の検証
Project/Area Number |
20K10680
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武村 雪絵 東京大学, 医学部附属病院, 看護部長 (70361467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國江 慶子 東京女子医科大学, 看護学部, 准教授 (80748898)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 看護管理 / 看護職 / 離職 / 質指標 / 組織運営 / エンプロイアビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、個人・組織・潜在的雇用先の立場から離職を総合的に評価する離職指標を開発し、看護管理の質指標としての妥当性・実用性を検証することを目的とする。はじめに、文献検討により抽出したアイテムプールを専門家インタビューにより追加・修正し、看護職の離職が組織に及ぼす影響として考慮すべき項目を選択した。これらの候補項目から実際に評価指標に組み入れるべき項目を明らかにするために、政令指定都市及び東京都23区から病床数で層化無作為抽出した712病院で勤務する看護管理者を対象にデルファイ調査を実施した。その結果に基づき、「離職の影響」「看護管理上の重要性」の双方に51%以上の同意が得られた36項目を評価項目として選定した。探索的因子分析の結果、「看護ケアの質」「看護職員の心身の健康」「看護職員の労働負荷・労働状況」「看護職員の関係性」「看護職員の役割意識・責任感」「代替人員の採用に伴うコスト・ベネフィット」の6因子が抽出された。一方、看護職の離職の潜在的雇用先にとっての価値は、2020年度に医療介護施設の採用判定者を対象に調査を実施し、既卒看護師を採用する際に重視する要素とその重みづけの違いを施設種類ごとに明らかにした。2022年度はこれらの結果の一部を国内学術集会及び国際誌において公表した。2022年度は、病院看護管理者に研究協力を依頼し、離職の影響を実際に評価する計画であったが、新型コロナウイルス感染症流行拡大で看護職の休務者が多く発生したことから、離職の影響を休務の影響と区別して評価するのは困難だと考え、調査は次年度に延期することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度までは順調に研究を進めていたが、2022年度は新型コロナウイルス感染症流行拡大により病院で看護職員の休務者が多く発生したため、これらの影響と区別して離職の影響を測定することが困難であった。そのため、病院看護管理者対象の調査を次年度に延期することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きオンライン調査を活用し、研究協力依頼のタイミングを配慮しながら研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
前年度開発した評価項目を用いて、当年度は病院を対象に看護職の離職が組織に与えた影響を総合的に評価する計画であった。離職は年度末に集中しているため、離職の影響を総合的に評価するには、年度開始後3カ月から9か月が経過した時期(6月から11月頃)の調査実施が適切と考えられた。しかし、7月から新型コロナウイルス感染症の流行で、全国的にどの病院でも看護職員の休務者が多く発生し、離職の影響を感染症流行の影響と区別して評価するのは困難な状況となった。そのため、調査は次年度に延期して実施することとした。
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Research Products
(3 results)