2023 Fiscal Year Annual Research Report
革新的看護技術が医療現場に実装されるための因子の特定とその構造
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20K10689
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
佐々木 杏子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (10793325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑本 暢子 (大久保暢子) 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (20327977)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イノベーション / 持続可能性 / 実装 / マルチレベル構造方程式モデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、根拠があり臨床上の効果がある看護技術・プログラムを看護イノベーションと定義し、看護イノベーションの導入にむけた取り組みが終了した後のプロセス「持続可能性」に着目した。看護イノベーションのひとつである背面開放座位を対象として、背面開放座位を過去導入した病棟の看護師を対象に、自記式質問紙調査を実施し、持続可能性と持続可能性の影響要因との関連、その構造を明らかにすることを目的とした。 2023年度は追加のデータ収集を終了し、データ分析を実施、論文投稿の準備を進めた。 最終的に53病棟、看護スタッフ298名、看護師長28名のデータを収集した。作成した持続可能性尺度の信頼性・妥当性、翻訳した3尺度の信頼性・妥当性は確認された。 マルチレベル構造方程式モデリング分析の結果、個人における持続可能性は、背面開放座位に対する好意的な態度が正の影響、業務量が多くストレスが高いことが負の影響を及ぼした。病棟全体における持続可能性に最も影響を及ぼしたのは、組織の準備性、組織の支援やリソースであった。背面開放座位を推進するリーダーやスタッフの存在とその行動は、その他の要因に影響を及ぼし、リーダー・スタッフは直接・間接的に持続可能性に正の影響を及ぼしていた。 本研究成果により、看護イノベーションの持続可能性を目指したリーダー・スタッフ、看護師長の役割を明らかにでき、持続可能性を促す方略を示唆できた。今後の課題は、背面開放座位以外の看護イノベーションの調査を行い、持続可能性の影響要因・尺度を洗練することである。
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Remarks |
聖路加国際大学大学院看護学研究科 博士論文
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