2022 Fiscal Year Research-status Report
優れた看護実践を導く看護情報の明確化と電子カルテ看護情報提供システムの構築
Project/Area Number |
20K10693
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
中西 永子 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (10843013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂下 玲子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (40221999)
小野 博史 兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (70707687)
新居 学 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (80336833)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電子カルテ / 情報探索行動 / 看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「優れた看護実践に必要な情報は何か」が、学術的に明らかにするために、良い実践を行っている看護師はどのような情報を、どのような順番で、どのような思考パターンで情報を収集しているのかを明らかにし、どのように情報提供をすれば看護実践に必要な情報を効果的・効率的に収集できるのか試作モデルを作成し検証することを目的にしている。現在までに明らかになった事は、新人看護師とベテラン看護師の電子カルテからの情報収集視線動向の違いがあることである。「看護記録」の平均注視時間がベテラン群より新人群が長く、両群の有意差を認めた。情報収集の範囲は、ベテラン群は必要だと考える情報を選択し、新人群より多く画面を切り替えて注視していたが、新人群は1つの内容を集中的に、時間をかけて情報収集を行っていた。情報収集の量は、「薬物療法」に関する内容は両群とも多かったが、「今後の予測」に関する内容はベテラン群が新人群より平均値が高く、両群の有意差を認めた。優れた看護実践を行う看護師を対象とした研究では、患者の病状など状態について最初に情報収集する「状態把握優先型」と本日行う処置など業務上必要な情報を最初に収集する「業務情報優先型」という情報収集パターンに分かれることが明らかになった。状態把握優先型は医師記録を古い記録から新しい記録へ順番に読む傾向があり、業務情報優先型は最新の医師記録から古い記録へ読み進める傾向がみられた。また業務情報優先型は「医師指示」や「処方」の見直しを行っていた。状態把握優先型と、業務情報優先型の情報収集時間に違いは見られなかった。今後は研究成果から情報収集パターンをさらに精錬し情報収集しやすい看護情報提供モデルシステムの構築と評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度新型コロナ感染症の関係から医療機関への研究での立ち入りが制限されたため調査が困難でありやや遅れが生じている。しかし、2022年度は医療機関での研究を実施することが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は過去明らかになった情報収集パターンを精練させ、情報収集しやすい看護情報提供モデルシステムの構築を行う。システム評価は、新たに構築した情報収集しやすい看護情報提供モデルシステムと既存の電子カルテからの情報収集を比較し、得られた情報の量、情報収集にかかった時間、情報収集の範囲の違いを明らかにすることを予定している。
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Causes of Carryover |
電子カルテベンダーより既存の電子カルテ借用にかかる費用や、新たな情報収集しやすい看護用電子カルテ構築に向けてパソコン等のハードソフトやシステム構築費用に充てるため次年度翌年度分として請求した助成金と合わせ使用する。
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