2023 Fiscal Year Research-status Report
手浴がもたらす糖尿病患者への睡眠効果と血糖値との関連
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20K10694
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
岩根 直美 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (90554527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水田 真由美 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (00300377)
米島 望 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 講師 (80791011)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 手浴 / 睡眠 / 糖尿病 / 温熱効果 / 血糖値 / 自律神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病患者は4割が睡眠障害もち、不眠はHbA1Cに影響して血糖上昇を引き起こす。糖尿病患者の睡眠を整えることは、良好な血糖コントロールに直結する。そこで、手浴による睡眠促進援助が糖尿病患者の血糖値に影響をもたらすかを明らかにする介入研究を計画している。 2020年度採択後、コロナ感染症の世界的な蔓延により、基礎的疾患をもつ糖尿病患者はコロナ感染症の重症化のリスクが高いため、一部の施設への集合する研究を進めることができなかった。実施予定の病院はコロナ感染症対応病院となり、さらに医療者自身の感染も蔓延し、感染状況が継続していた。そのため、研究の開始許可を得ることができなかった。感染拡大の速度が増し、拡散しやすい状況下から医療者間の感染も蔓延し、医療現場の人員不足がある中、患者の安心・安全を優先するため、研究実施には至れていない。 2023年5月から感染症法上の位置づけが変更されたため、安全が確保できる方法で研究を進められるよう準備を行う。 2024年に介入研究を予定し、2023年に文献検討を終えて学会発表をした。研究成果を確実とするための基盤づくりを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
採択以後、度重なるコロナ感染症の蔓延により、安全に実施できる研究計画の見直しと患者協力を得ることへの再検討をしている。コロナ感染症の特徴を考慮し、糖尿病患者の協力を得る準備や協力施設を変更したが、継続した感染症蔓延に伴い、医療者への感染の蔓延から医療現場の人手不足があり、安心・安全に研究できる確信がもてる状態になかったため、実施に至れていない。
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Strategy for Future Research Activity |
介入研究のため、安全で実施できる環境と協力施設を明確にした状態で研究を開始する予定である。今年度は介入研究に向けた文献検討を終えたため、研究を推進予定である。倫理審査の承認が必要であるため、協力施設の許諾を受けて倫理審査申請準備に入る。すでに、協力施設を調整しているため、実施時期等の検討をして開始する予定である。 2024年6月に倫理審査申請し、7月倫理審査委員会の審査を受ける。8月に承認を受ける予定である。承認後に第一段階の手の加温条件による睡眠と覚醒を判別するための実験研究を推進する。目標人数は15名、クロスオーバー試験で行う。測定は①客観的評価として、VM302による自律神経測定、サーモグラフィーと耳式持続型体温計による末梢体温の測定、②主観的評価として、眠気と覚醒に関する尺度(KSS・JUMACL)を行う。 同様の測定は夏季と冬季が必要なため、同研究参加者に12月~2月で行う。分析は10月と3月に実施する。 2024年10月~2月の期間、第二段階の手の加温効果を血糖値の測定をして評価する研究を行う。7月に倫理委員会申請し、8月倫理委員会の審査を受ける。9月に承認を受ける予定である。9月中に健康管理センター2カ所と研究調整を行い、10月以降は糖尿病患者のデータ収集を行う。目標人数は30名、一人に要する期間は2週間を予定している。分析は3月に実施する。
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Causes of Carryover |
2020年度採択後、2023年までの4年間、コロナ感染症の世界的な蔓延により、全く進めることができなかった。理由として、基礎的疾患をもつ糖尿病患者はコロナ感染症の重症化のリスクが高いため、研究の実施は倫理的問題があるため、研究の自粛を余儀なくされた。さらに、研究協力予定の病院はコロナ感染症対応病院となり、病院の変更が必要となったが、コロナ感染症は医療者自身の感染も蔓延させ、長期に継続した。医療者間の感染が蔓延したことで、医療現場の人員不足が生じたため、研究実施には至れていない。2023年は2024年の最終年度に安全が確保できる方法で研究を進められるよう文献検討と研究協力施設を再調整してきた。 2024年からは、新たな研究施設の協力のもと、糖尿病患者に対して手の加温による睡眠と血糖の関連を測定するための研究を行う。第一段階の研究では、手の加温条件による睡眠と覚醒を判別する。この研究では一部の施設へ糖尿病患者に集合してもらうため、その交通費を支払う。そして、データ測定には、測定機器のレンタルや消耗部品の購入が必要になる。第二段階の研究では、手の加温効果を血糖値の測定をして評価する。よって、血糖測定機器の購入や手の加温用消耗品が各患者別に必要となる。さらに、一人の患者に2週間の協力を要請するため、研究協力者への謝礼は必須となる。
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