2023 Fiscal Year Research-status Report
社会人基礎力の「働きかけ力」を高め効果的な実習指導を可能にする実習指導者用教材
Project/Area Number |
20K10695
|
Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
藤本 美由紀 山口県立大学, 看護栄養学部, 講師 (70448801)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 満智子 山口県立大学, 看護栄養学部, 助教 (10735690)
丹 佳子 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (70326445)
伊東 美佐江 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00335754)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 実習指導 / 働きかけ力 / 臨地実習 / 看護教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、実習指導者の「働きかけ力」および「働きかけ力」を高める要素を抽出して、その要素をふまえた教材を作成し、その有用性を実証することを目的としている。2023年度は、実習指導者の「働きかけ力」とその向上に関連する要因を明らかにするため、参加観察とインタビュー調査を予定していたが、実施できていない。 代替として、未公表の実習指導者に対する調査データを分析し、論文化を行った。他の看護師や教員との連携は、実習指導経験が少ない指導者にとって困難感が高い実習指導行動であるが、研修受講者や指導経験の多い者にも「働きかけ力」が必要な連携・協働に関する困難感が存在する。また、実習経験が少ない指導者は、他の看護師への働きかけが必要であることの役割認識ができておらず、他者への働きかけが必要な指導行動を実施していない者が存在する可能性があることが示された。 また、実習指導者が他の看護師を巻き込む力である「働きかけ力」に注目し、看護学、教育学等の領域における文献検討を行っている。 現在、教材開発に利用できる「働きかけ力」を発揮するための現場の実習指導者の行動、習慣、心がけていること等、「働きかけ力」を高める要素検討のための方法等について再検討中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の予定では、参加観察とインタビュー調査により、巻き込みの準備、行っている工夫の意図や根拠、巻き込み時の状況や心情と双方に対する思いや関係性等を問い、実践されている「働きかけ力」の向上に必要な要素を抽出する予定であったが、業務多忙と体調不良のため実施できていない。 また、文献検討により「働きかけ力」の向上に必要な要素は、実習指導者のコンピテンシーに含まれていると考え、要素の抽出方法について再検討中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度までに行った文献検討とこれまでの調査の分析結果等を踏まえ、調査方法を再検討する。 コンピテンシーは、ある職務または状況に対し,基準に照らして効果的,あるいは卓越した業績を生む原因として関わっている個人の根源的特性.具体的には,動因,特性,自己概念,知識,スキルであり、卓越した成果を生む元となる能力のことである。単に知識と技術があるだけでなく、意識・姿勢・考え方・行動様式を伴う能力であるとされていることから、先行研究で明らかにされた「実習指導者のコンピテンシー」の詳細を分析することで、当初目指していた「働きかけ力」の向上に必要な要素(意識・姿勢・考え方・行動様式等)を明らかにすることが可能と考えた。そこで、実習指導者、看護教員、教育担当者、専門・認定看護師等のコンピテンシーに関する先行研究等を基に「働きかけ力」の向上に必要な要素について検討する。
|
Causes of Carryover |
当初の予定では、参加観察およびインタビューを2023年度中に実施する予定であったが、働きかけ力向上要素の抽出のための現場での調査が実施できていない。これらの理由により次年度使用額が発生した。 2024年度に調査方法を再検討し、現場の実習指導者に対する質問紙調査等の実施およびデータ入力、分析等のための経費に用いる。
|