2020 Fiscal Year Research-status Report
Basic research on improvement of crisis management system of nursing organization of huge disaster
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20K10699
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
中原 るり子 共立女子大学, 看護学部, 教授 (90408766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾立 篤子 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (50736973)
櫻井 美奈 共立女子大学, 看護学部, 准教授 (90363845)
中村 昌子 共立女子大学, 看護学部, 准教授 (80528894)
山住 康恵 共立女子大学, 看護学部, 准教授 (30553052)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 災害対策 / HICS / 危機管理 / 看護管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の一つ目の目標は、従来のHospital Incident Command System :HICSの成果と課題を明らかにすることである。これに対して、本研究では、国内外のHICSの実践事例の収集ならびに導入後の課題に関する文献をレビューした。 近年のHICSの実践事例では、米国のCOVID-19パンデミックにおいてHICSが有効であったと報告していた。2020年、米国の病院では救急部門(ED)にCOVID-19患者が搬送されおり、EDは集中治療室や一般医療フロアとともに、病院の中の重要な領域となっていた。EDでは搬送されてくる患者の変化を日々確認し、インシデントに直面しているスタッフからの情報や効果的な問題解決の方法を集めることも可能になるため、インシデントに対してどの戦略が効率的であるのかを判断することができると述べられていた。さらに、文献では活用可能な資源の管理、インシデントの管理、および情報の伝達に必要な通信と情報管理が重要であることを示していた。また、HICSを導入したことにより「権限と責任に関する混乱」が軽減でき、「既存の資源不足と誤った方向性」を減らすことができたと述べていた。 2020年度のもう一つの目標は、病院幹部の理解を深め、指導力を高めるために、現行の防災計画、防災訓練、BCP、内部資源の評価、外部資源の利用可能性を調査し、協力病院の看護部(病院)の幹部に対してHICSの研修を実施することであった。しかしながら、我が国でもCOVID-19パンデミックにより日本の病院関係者との接触が制限され、予定していた研修までは実施することができなかった。ただ、数名の病院関係者からの聞き取り調査の結果、COVID-19パンデミックなどの危機への組織対応の重性について意識が高まったことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19パンデミックにより病院関係者との接触が制限された。病院では会議の制限や研修の縮小が求められ、病院幹部との会合を持つことが難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、病院関係者との連絡調整を続け、現場で直面している課題を共に整理するとともに、Hospital Incident Command System :HICSの重要性や導入に関する課題を整理する。 研究組織内では文献検討を中心に情報を整理し、効果的な研修内容を整備し、COVID-19パンデミックが落ち着いた段階ですぐに実施できる準備を整える。
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Causes of Carryover |
当該年度は新型コロナウイルスパンデミックにより、病院関係者との接触が制限された。それだけでなく、病院関係者が新型コロナウイルス感染症対策に追われ、本研究への協力が難しかった。また研究組織のメンバーも上記の対応に追われ、当初の計画の実施が思うように進まなかった。使用しなかった金額を翌年度に持ち越すことにした。
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