2023 Fiscal Year Research-status Report
Application of highly realistic teaching technique MASK-ED to nursing education
Project/Area Number |
20K10702
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Research Institution | Kyoto University of Advanced Science |
Principal Investigator |
嶌田 理佳 京都先端科学大学, 健康医療学部, 教授 (40331673)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 看護教育 / シミュレーション / 模擬患者 / リアリティ / 看護実践能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、MASK-EDの実演とそれに続くデブリーフィングによって、MASK-EDによる学生の学びを明らかにすることを目的としている。 2023年度はリアリティの高い模擬患者による教育効果を検証するための一環として、動画利用による実演の効果をプレテストとして検証した。方法としては、3年生科目「クリティカルケア看護学援助論演習」の単元である「呼吸機能低下からの回復を促進するケア」の回で使用する動画を撮影して、実際の授業において使用した。今回のシナリオの患者は術後無気肺の症状を呈しており、動脈血酸素飽和度が低下し、呼吸困難感を訴える事例とした。呼吸困難感に対して看護師役の教員が呼吸状態を観察し、無気肺の可能性を推察して深呼吸やハフィングを促す声掛けを行うという流れとした。MASK-EDの患者は、何度か咳嗽と痰喀出を試みたことにより、動画の最後には呼吸状態が改善したというシナリオであった。学生たちは、動画(MASK-ED)の患者の様子から、術後に呼吸状態が変化している様子を観察し、「何が起こっているのか」を推論することができた。さらに、動画を基にしたグループワークや教員のデブリーフィングを通して、気道浄化の必要性と具体的な呼吸困難症状の改善や痰の喀出のためのケアを学ぶことができた。一連の演習により、MASK-EDは実演でなくても動画撮影した技法を放映する形であっても、教育用ツールとして活用できることが示唆された。 2023年度は、次年度の同科目において術後疼痛ケアをテーマとした演習に使用する動画のシナリオを作成し、撮影した。事例患者は胃切除術後の患者とした。排泄のためにトイレまで車椅子で移送され、帰室した後、疼痛が増強してレスキューによる疼痛緩和を図るというシナリオで、研究者は模擬患者として強く疼痛を訴える患者を演じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
保健師助産師看護師学校養成所指定規則の一部改正により、本学では2022年度から新カリキュラムに移行した。学科全体の授業計画が変更となり、これに整合させるよう本研究を実施する3年生の演習科目および実習科目のスケジュールや開講内容も再検討が必要となった。このため、計画通りに研究として進めることが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度中に準備した動画を使用して2024年度前半に演習を行い、学生の反応や教員の評価を基にシナリオを完成させる。2024年度後半には実習の学内日に演習を実施してデータを収集し、評価を行い、学会や学術誌に公表する準備を進める。
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Causes of Carryover |
動画撮影は手元の機材で撮影から編集までできたため、この費用が発生しなかった。また、謝金と伴う演習は行わなかったため、謝金が発生しなかった。研究成果の発表において旅費も発生しなかった。
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