2020 Fiscal Year Research-status Report
心肺停止ハイリスク患者の家族を対象とした退院時心肺蘇生法の指導・普及に関する研究
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20K10711
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
大西 敏美 香川大学, 医学部, 助教 (80782218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 多香子 香川大学, 医学部, 教授 (10274268)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心肺蘇生法 / 退院時指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自宅で心停止のリスクが高い循環器疾患患者の家族を対象に、退院時指導として、心肺蘇生の指導がどの程度、どのような形式で実施され、どういう成果を得ているのかを明らかにして退院時心肺蘇生指導教育プログラムを作成することを目的にしている。研究の段階として調査前の情報収集に時間を要した。本研究を始めるにあたり、心肺蘇生指導の現状を把握する目的で情報収集を行った。具体的には、文献や情報検索システムの活用を行いさまざまな報告を閲覧した。予定していた研究スケジュールより遅延しているが、この研究過程は必要なものであるため実施した。この情報収集により、心肺蘇生指導教育についての論文発表は、1982年から始まっており、2020年までに114件発表されていた。心疾患患者の家族に対して、看護師が心肺蘇生法の指導について論じている文献9件について詳細に分析を行った。患者家族へ心肺蘇生講習会を開始した報告は1997年から報告されはじめ、2007年以降は報告がなかった。対象は小児の保護者を対象としたものが3件、小児以外の患者家族を対象としたものが6件であった。指導形式は、集団指導(講習会形式)で実施されており、看護師のみで実施している報告が多かった。所用時間は90分が最も多く、指導頻度は、毎週実施している報告は1件で、1か月から2か月ごとの定期開催が3件、企画開催が3件であった。講習会後の家族の反応の多くは、受講前は不安を抱えていたが、受講後は不安の軽減につながっていた。今後の課題としては、講習会の継続、繰り返し受講できるシステムづくりであった。これらの文献検討の結果を踏まえて、心停止のリスクが高い循環器疾患患者の家族を対象にした心肺蘇生教育・指導について質問紙調査票を作成していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の予定では、全国の医療機関に質問紙による調査を予定していたが、本研究を始めるにあたり、心肺蘇生指導の現状を把握する目的で情報収集を行い、その結果に基づいて調査内容及び分析方法についての精選に時間を要してしまい全国調査まで実施できなかった。3年度は質問紙を完成させ、施設倫理委員会の承認を経て、全国調査の実施に至れるよう準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
3年度は、心肺蘇生指導の現状を把握する目的で行った情報収集の結果をまとめ学会で発表していく予定である。また、質問紙を完成させ、対象施設の選定を行い全国調査を実施する。その結果を量的研究の経験をもつ研究分担者からスーパーバイズを受け分析を進めていく。
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Causes of Carryover |
2年度に計画していた予算の執行が困難となった理由は、質問紙調査の実施に至らなかったことである。2年度に計画していた予算の多くは、質問調査用紙の印刷費、質問紙調査の実施に関して必要な郵送費などであった。しかし、全国調査の開始が遅れたため、計画していた予算の執行が行えなかった。3年度は、学会発表のための国内旅費、質問紙の印刷費、郵送費を、また分析に際して、統計手法セミナー参加を、統計処理および事務的業務にかかる人件費を主な支出として使用を計画した。
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