2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a combined intervention program for defecation dysfunction of elderly colorectal cancer survivors
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20K10728
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Research Institution | Takarazuka University |
Principal Investigator |
中川 ひろみ 宝塚大学, 看護学部, 教授 (30437131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 喜代次 筑波大学, 体育系, 名誉教授 (50163514)
笹井 浩行 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60733681)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大腸がん / サバイバー / 生活習慣 / 排便機能障害 / プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国のがん罹患数(2018年)を見ると部位別で大腸がんが最も多く、その5年相対生存率が高いうえ、超高齢化と相まって大腸がんサバイバーが増加している。そのため、高齢大腸がんサバイバーの日常生活機能の維持やquality of life(QoL)の改善が喫緊の課題である。QoL低下の主要因として肛門温存手術に伴う排便機能障害(便失禁や便秘等)があり、その緩和策の構築が急務といえる。排便機能障害の緩和には、便性を整える水溶性食物繊維の摂取や骨盤底筋群の収縮力を増強させる運動が有用とされる。しかし、大腸がんサバイバーの排便機能障害に対して、食習慣改善と運動の組み合わせによる生活習慣介入の試みは皆無に近い。そこで本研究は、高齢大腸がんサバイバーを対象に、排便機能障害の緩和を目指した食習慣改善と運動を中心とした複合介入プログラムを開発し、その有益性を明らかにする。この目的を達成するために、本研究では、高齢大腸がんサバイバーの排便機能障害に関する実態調査(研究IとII)、プログラム開発(研究III)、小規模介入研究の実施(研究IV)の3つのプロセス(4研究)を設定した。2020年度は、本学および地域がん診療連携拠点病院(2施設)の倫理審査委員会の承認を得て、通院する65~85歳の大腸がんサバイバーを対象に、排便機能障害、食習慣、運動等に関するインタビュー調査を行った。しかし、COVID-19 パンデミックにより、病院のクラスター発生や医療逼迫が生じ、インタビュー調査は2例にとどまった。対象者2例は、COVID-19 の感染予防のために不要不急の外出を控え、運動時間の減少や3kg程度の体重増加がみられていた。また、腸閉塞の予防や排便回数・排便の性状を考慮した食事管理が行われていた。大腸がんサバイバーの生活習慣がCOVID-19により影響を受けていることが推測され、本研究は実態を調査する意義がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
大阪府はCOVID-19流行地域であり、3度の緊急事態宣言とこれに伴う深刻な医療逼迫により、外来通院患者数が減少し、医療安全上、調査できなかった。このため、兵庫県内の病院を1施設追加し、倫理審査委員会の承認を得た。大腸がんサバイバー2例についてはインタビューできたが、その後の4度目の緊急事態宣言の影響により、研究の遂行は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19による医療逼迫の影響で、大腸がんサバイバーをリクルートすることが困難である。今後は患者会に所属する大腸がんサバイバーも対象とすることを検討している。また、リモートや電話によるインタビューなど、非対面型の通信手段を通じた調査に切り替えることも検討している。
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Causes of Carryover |
COVID-19 による3度の緊急事態宣言に伴い、医療逼迫が生じ、外来通院患者に対するインタビューが困難であり、2例にとどまった。このため研究対象者にかかる謝礼や感染予防対策に必要なマスク・ゴーグル・手指消毒剤を購入する経費が少なかった。また、県境をまたぐ移動を自粛せざるを得ない状況であったため、旅費を使用することがなかった。これらにより、支出が抑えられ、次年度使用額が生じた。次年度は、COVID-19 の状況を鑑みて、できるだけ予定通りの研究内容に即して研究費を執行する予定である。
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Research Products
(2 results)