2022 Fiscal Year Research-status Report
通院患者のがん疼痛セルフマネジメントを促進する看護介入プログラムの有効性の検証
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20K10748
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Research Institution | Tenri Health Care University |
Principal Investigator |
山中 政子 天理医療大学, 医療学部, 教授 (80744416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 久美 大阪医科薬科大学, 看護学部, 教授 (60226503)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | がん疼痛 / セルフマネジメント / 通院患者 / 看護介入プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、研究代表者が開発した『通院患者のがん疼痛セルフマネジメントを促進する看護介入プログラム(Cancer Pain Self-management; CPSMプログラム)』を洗練化し、その有効性を検証することである。研究は2段階で進める。 1段階目の目的は、実際に本プログラムを臨床適用した看護師を対象にフォーカスグループインタビューを実施し、プログラムを用いた看護ケアの実際やプログラムの臨床適用可能性を明らかにすることである。質的帰納的に分析した結果をもとにプログラムをより洗練化した。 2段階目の研究の目的は、がん疼痛のある通院患者を対象にした対照群をおく非ランダム化比較対照試験により本プログラムの有効性を検証することである。対照群、介入群ともに35名を予定している。対照群には通常ケアを実施し、介入群にはCPSMプログラムを用いて認定看護師や専門看護師が患者面談を実施する。評価方法は、患者への計3回のアンケートである。研究実施施設として5か所の施設と研究協力者7名を確保し、研究代表者の所属施設の研究倫理審査の承認を得て各施設の研究倫理審査の手続きを行った。途中、研究実施施設1施設の変更があったが、2施設は対照群の調査を終えて介入群の調査を開始した。介入群の調査開始前は、研究代表者が研究協力者に対しCPSMプログラムの研修会を実施した。2施設は対照群の調査中であり、1施設は倫理審査待ちの段階である。現在、対照群20例の調査を終えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
R4年度は4施設で対照群の調査を進めることができた。しかし、1施設は未だ倫理審査の承認が得られておらず、研究進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度は、『通院患者のがん疼痛セルフマネジメントを促進する看護介入プログラム(CPSMプログラム)』の有効性を検証することを目的に、現在の調査を継続する。研究のデザインは、非ランダム化比較対照試験である。対象者は、研究実施施設に通院する20歳以上のがん疼痛のある患者で、通常ケアを受ける対照群とCPSMプログラムを用いた看護介入を受ける介入群に、各35名を組み入れる。CPSMプログラムの主要アウトカムは痛みの軽減・QOLの向上、副次アウトカムは自己効力感の高まり・鎮痛薬の効果的使用、心理的安定である。調査内容は、①基礎データ;年齢、性別、病名、鎮痛薬の処方内容など、②痛みの強さ・日常生活活動への支障・鎮痛効果;Brief pain inventory (short form)日本語版(BPI-J)、③QOL;MOS Short-Form 12 item Sort-form health survey (SF-12)日本語版、④自己効力感;Pain Self-Efficacy Questionnaire日本語版(PSEQ-J)、⑤不安と抑うつ;Hospital anxiety and depression scale (HADS)日本語版、⑥看護介入プログラムに対する患者評価である。データ収集方法は自記式質問紙調査で、調査時期は、介入前と2回目介入後、3回目介入後(対照群はベースライン、3週間後、6週間後)とする。介入前後の比較、両群の比較、変化量を分析する予定である。研究実施施設5施設のうち、2施設は対照群の調査を終え、介入群の調査を開始した。2施設は対照群の調査中であり、1施設は倫理審査待ちの段階である。途中、研究実施施設の一部変更はあったが、対照群20例の調査を終えた。R5年度中に、対照群に引き続き介入群の調査まで終える予定である。
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Causes of Carryover |
R4年度は、研究実施協力者も含めて学術大会の旅費や宿泊費、学会参加費、統計ソフトの購入など計画的に支出したが、R2年度とR3年度とも執行率が低かったことが影響して繰越につながった。また、新型コロナウイルス感染症拡大のため、対照群の調査開始時に調査実施施設に訪問せず、郵送とリモートで打ち合わせを行ったため、旅費や宿泊費の使用が予定より少なかった。さらに、研究の進捗がやや遅れておりR5年度まで延長申請する必要があったため、R4年度に予定していたパソコンの購入を行わなかった。 R5年度は、研究実施施設の介入群開始時に訪問するための旅費と宿泊費、データ分析用のパソコン、トナーやコピー紙、アンケート返送用の切手などの購入費用が必要になる。
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Research Products
(1 results)