2023 Fiscal Year Annual Research Report
動画解析によるICUでのチューブ自己抜去予測モデルの開発
Project/Area Number |
20K10753
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
梅田 亜矢 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 看護師 (00734013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 竜哉 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, センター病院, ICU・CCU・HCU管理室医長 (30419634)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 予定外抜去 / ICU / 身体抑制 / 動作解析 / AI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、動画解析により自己抜去予測モデルを開発することを目的とし取り組んだ。 Survey1では、ICU患者が何らかのチューブを自己抜去した動画を分析対象とした。自己抜去場面が撮影されている監視カメラの動画を抽出し、患者あるいは患者の家族から同意が得られた動画を使用した。動画による自己抜去動作の検知では、まず、姿勢推定モデルによって、画像の明るさやカメラとの相対的な距離、向きについて条件の良かった症例において有効と考えらえる3次元座標が得られた。次いで、得られた時系列データに異常検知手法を用いることで抜去動作のみに異常を示す大きな値が確認された。 次に、Survey2として、慣性式モーションキャプチャを装着したICU看護師が、自己抜去場面を再現したシミュレーション動画を作成しその解析を試みた。場所の制約なく計測可能な無線の慣性式モーションキャプチャをベッド上で使用した報告はみられなかったため、臥位における身体部位の座標計測についてどの程度有効であるかをまずは確認した。有効であった部位においては、ICUのベッド上という極めて特殊な環境においても、患者の状態を検証する際の一助となり得ると考えられた。 以上から、特定の異常検知手法による自己抜去の検出はできたが、同じような条件の動画が十分に得られなかったため、予兆動作の検討にまでは至らなかった。しかし、姿勢推定モデルから得られる複数部位の時系列データを異常検知手法に用いることで自己抜去と未遂動作との弁別可能性が示唆された。ひきつづき、様々な条件下での自己抜去動作の解明を進めることで、汎用的な抜去動作の予測手法の確立を目指したい。
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