2020 Fiscal Year Research-status Report
患者の死に曝され続ける中堅看護師の看取り力深化を目指した態度教育プログラムの開発
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20K10758
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
平野 裕子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (40369377)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 看取り / 態度 / 中堅看護師 / 看護学生 / 教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、少子高齢多死社会の看取りを支える担い手として活躍が期待されている看護師が患者の尊厳ある人生の最期に寄り添い続けるととも家族の予期悲嘆を考慮したグリーフケアにつながる質の高い看取りケアを実践するため、患者の死に曝され続ける中堅看護師の看取り力深化を目指した態度教育プログラムを開発することである。 今年度は、看護管理者を対象とした中堅看護師の看取り観および死への態度教育への取り組みに関する調査を実施する予定であったが、COVID-19の感染拡大およびまん延の影響を受け、調査対象者の選定に難航し、調査が全く実施できなかった。現状でも協力のめどはたっていない。そのため、対象を看護学生とし、医学基礎教育のために作成された看取り場面のVR映像を活用した死への態度教育を検討した。対象者は看護学科4年生4名、看護師国家試験受験が終了した3月にギアチェンジを伝える場面、看取り場面など1事例を病状進行にあわせた状況の映像をVRを用いて視聴してもらい、看護師の立場で考えたことを対象者2名1組による面接した。更に視聴前、視聴直後、視聴1か月後の死生観および終末期に対する看護師の態度尺度を用いて調査した。結果、全員が死生観および終末期に対する看護師の態度尺度は大きな変化がみられなかった。面接においては、自己の死生観、家族の感情の揺れ動きの大きさを再認識する一方で、視聴では自己の感情が巻き込まれる体験にはつながらず、正解のない家族への声かけ方法、家族の受容を促す関わり、患者の死への関心の寄せ方への困難感がみられた。患者および家族の死生観もさまざまであるからこそ、その状況に看護師として対応できる能力と併せた態度教育の検討が必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大およびまん延の影響により、対象者の選定が全くできない1年であった。引き続き、COVID-19の感染状況をみながら対象者および方法を再検討し、遂行できるよう調整していく。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度実施できなかった中堅看護師の看取り観・死への態度教育への取り組みに関する面接調査については、COVID-19の影響により病院等看護管理者への調査は困難であるため、対象者を変更し、スノーサンプリング法を用いて調査を行えるよう調整していく。 同時に、2021年度の計画についても可能な限り実施できるように調整を試み、状況に応じては調査対象および方法を再考しながら実施していく。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大の影響により、研究を計画通りに進めることが全くできなかった影響でオンライン学会への参加などで見聞を広めるのみしかできなかった。そのため、ほどんど予算を執行することはなかった。今年度は、昨年度できなかった調査などを可能な限り実施するとともにできない場合は、調査内容を変更し、実施していく予定である。
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