2023 Fiscal Year Research-status Report
がん患者の転倒リスクの可視化による患者,医療者共有転倒アセスメントツールの開発
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20K10761
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Research Institution | 福井医療大学 |
Principal Investigator |
油野 規代 福井医療大学, 保健医療学部, 准教授 (10827108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 真由美 金沢大学, 保健学系, 教授 (20293350)
坂本 めぐみ 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (50279577)
鋤柄 増根 名古屋市立大学, 教育研究科, 名誉教授 (80148155)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | がん患者 / 転倒 / 化学療法 / 筋力低下 / 終末期 / 骨転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん診療拠点病院に勤務する、医師6名、看護師5名、薬剤師4名、療法士4名(理学療法士、作業療法士)、診療放射線技師4名にインタビューを行った。がん患者に関わる多職種が、がん患者の転倒をどのように捉えているのかを、テキストマイニングにより内容分析を行った。頻出語は、「人(703回)」「転ぶ(233回)」「出る(221回)」「治療(216回)」「リスク(182回)」であった。 共起ネットワーク図により、8つのサブグラフが描画され、カテゴリー名を命名した。多職種はがん患者の転倒を、抗がん剤と麻薬による薬剤の影響が大きいと捉えていた。カテゴリー名は【薬剤の影響による身体、認知機能のダメージで生じる転倒】とした。具体的な内容として【化学療法に伴う末梢神経障害と衰弱】によって転倒が生じると認識していた。さらに、がん患者の病状の変化に対して【終末期の状態悪化に伴う急激な筋力の低下】が転倒につながると多職種は共通認識していた。また、多職種は病状が悪化した状況においては【がん患者は最期まで自分でトイレに歩いてに行く】ことに転倒が生じると捉えていた。この状況を多職種はがん患者は【認識と身体状況との乖離による転倒】がされていない】と捉えていた。がん患者の転倒は、治療と病状の変化から若年者であろうと生じることから、【年齢に関わらないがん患者の転倒】と捉えていた。がん患者の転倒は損傷を大きくする。その理由として、がんの転移による損傷の重大さが語られ、【骨転移による病的骨折から生じる治療への影響】を捉えていた。 職種による特徴的なカテゴリーとしては、臨床放射線放射線技師による語りから、放射線療法を受けるがん患者に着目し、【放射線治療をを受ける転倒リスクの高い人】と捉えていた。がん患者に関わる多職種の捉えは、治療の状況や病気の進行を捉え、それぞれの対応場面において、専門的視点でがん患者の転倒を捉えていた。、
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多職種よるがん患者の転倒への捉えをテキストマイニングによる内容分析を行った。内容の信頼性を高めるために、データ収集を行っていた施設の多職種に確認を行うことに時間を要した。そのため、論文作成に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
多職種のがん患者に対する転倒への捉えについて、共同研究者と共に内容の信頼性を確認し、論文投稿を行う予定である。 また、病院施設でがん患者に関わる多職種の意見をもとに、がん患者の転倒予防を目的とした「がん患者への転倒予防パンフレット」を現在作成中である。今後このパンフレットをがん患者さんに閲覧して頂き、内容の評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
論文抄録の英語翻訳依頼。転倒予防パンフレッと作成のための、監修依頼の謝金。デザインおよび印刷経費。郵送料に使用予定。関連学会への発表のためのパスター作成、旅費の使用予定である。
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