2022 Fiscal Year Research-status Report
がん体験者のヘルスリテラシーを高めるための「看護師の支援力育成プログラム」の開発
Project/Area Number |
20K10767
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
久保 五月 北里大学, 看護学部, 教授 (60348597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 奈緒美 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (00627672) [Withdrawn]
近藤 まゆみ 北里大学, 大学病院, その他 (10627459)
松原 康美 北里大学, 看護学部, 准教授 (10779010)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | がん体験者 / がん患者 / ヘルスリテラシー / 情報リテラシー / 情報ニーズ / 情報探索行動 / 看護師 / 情報支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、がん体験者のヘルスリテラシーを高めるために、看護師の情報支援力を育成するプログラムを開発することである。2022年度は、2021年度に実施した質問紙調査結果について詳細な分析を追加した。調査の目的は、【看護師による情報支援】および【看護師自身の情報リテラシー】の実態を明らかにすることであり、神奈川県下のがん診療連携拠点病院9施設に勤務している看護師190名(回収率20.0%)から回答を得た。 【看護師による情報支援】163名(85.8%)が何らかの情報支援を行っており、支援内容は「わかる範囲で質問に答える」「相手にあわせて説明方法を工夫する」の順に多かった。情報支援を行わなかった人は26名(13.7%)で、理由は「患者から求められなかった」「支援の必要がないと思った」等であった。 【看護師自身の情報リテラシー】情報探索に困難を感じた経験のある人は135名(71.1%)であり、理由は「欲しい情報が得られない」「適切な情報源が得られない」「信頼できる情報か判断できない」等であった。179名(94.2%)がサポートを求めており、活用頻度の高い情報源は、「看護師」「医療・看護系の雑誌・書籍」「医師」の順であった。188名(98.9%)がインターネットを活用していたが、eHealth Literacy Scale (eHEALS)日本語版のうち、「健康情報サイトを評価する」「健康情報を判断に活用する」の2項目の尺度得点は低値を示していた。対象者の年齢、学歴、勤務部署等の属性で、eHEALSの得点に違いは認められなかったが、情報探索時に「得た情報が理解できない」「入手までに時間がかかる」と回答した割合は、高得点群と低得点群との間で差が認められた。 これらの調査結果から、効果的で実践可能な情報支援や看護師自身へのサポート内容について、更に質的な探索の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、質問紙調査を補完する目的で、フォーカス・グループインタビューを行う予定であった。しかし、2020年度以降、COVID-19の感染拡大に伴う医療の逼迫が続く中、看護師に対する面接調査の実施は極めて困難であり、実施時期を延期する必要が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は「看護師の支援力育成プログラム」案を作成する予定である。プログラム内容を検討するために、情報支援に関するフォーカス・グループインタビューを行い、看護師と協働してプログラムを試案する。
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Research Products
(2 results)