2020 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢がん患者に対する疼痛ケアプログラムの開発と有用性の検証
Project/Area Number |
20K10770
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
櫻庭 奈美 東邦大学, 看護学部, 非常勤研究生 (90709213)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | がん疼痛 / 認知症 / 看護実践 / ケアプログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまでの予備調査を踏まえ作成した、「認知症がん高齢者の疼痛緩和のための看護実践モデル」を疼痛ケアプログラムとして実装し、有用性を検証することを目的としている。2020年度は、ケアプログラムの開発のため、認知症がん高齢者における疼痛尺度、QOL尺度の文献から文献的考察を行うこと、さらには認知症がん高齢者にインタビューを実施し、ケアプログラムのアウトカム指標を作成することであった。 文献的考察では、疼痛尺度、QOL尺度において、著者や発行年によって、認知症という用語の使われ方、軽度認知障害を含めるかといった、文献を抽出する際に用いる用語の混乱があり、検索式をどのように規定するかから検討が必要であった。検討の際には、認知症看護認定看護師からのアドバイス、老年看護の専門家から助言を受けた。抽出した文献では、疼痛、QOLの用語の定義が曖昧な文献も多く、本研究の分析対象とするか否か、条件設定が再度必要と考える。現在、抽出した文献を一元化し、マトリックス配置し、分析する作業を進めている。 加えて、今後は、認知症がん高齢者に対して直接インタビューを行う予定であるため、インタビューガイドを作成中である。インタビューの際にはインタビューの対象者である認知症がん高齢者への不利益を最小限にする必要がある。方法として本人への説明と同意、家族への説明と同意など、説明と同意、撤回の方法やタイミングを十分に検討する必要があるが、現在、COVID-19による感染状況、自粛要請期間が続いており、倫理委員会へ提出するため書類を作成するにとどまっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献検討は進んでいるが、現在、COVID-19による感染状況、自粛要請期間が続いており、認知症がん高齢者へのインタビューが困難な状況である。今後は感染状況が落ち着き次第、インタビューも可能と考えられるため、引き続き対象施設、対象者の選定を行うとともに、インタビューが不可能であった場合の代替案についても検討する。
|
Strategy for Future Research Activity |
文献検討の対象文献が60件を超えおり、分析する点を焦点化できていない。まずは、認知症がん高齢者にかぎらず、疼痛とQOLの関係性についても自己の知見を広げるため、関連学会に参加するなどして、専門的知識を得る。それを踏まえ、疼痛とQOLで分けて文献検討として論文の執筆を予定する。
|
Causes of Carryover |
COVID-19による感染状況が続き、研究協力者を変更すること、さらにインタビュー予定者の変更があり、研究費に差異が生じた。 再度、協力者の選定、依頼が必要と考えている。 研究費は、新たな研究協力者、ならびに施設協力者への謝礼や交通費にあてる予定である。 今後、COVID-19の感染状況が続く場合は、オンラインによる会議の環境設定を予定している。
|