2023 Fiscal Year Research-status Report
在宅移行期における高齢進行がん患者の納得を支援する看護ケアモデルの構築
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20K10785
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
今井 芳枝 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10423419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雄西 智恵美 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (00134354) [Withdrawn]
板東 孝枝 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (00437633)
高橋 亜希 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (70799874)
上田 伊佐子 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (90735515)
井上 勇太 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (90845372)
森 裕香 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (50977725)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高齢がん患者 / 在宅移行期 / 納得 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、在宅移行期の高齢進行がん患者の納得を可視化し,俯瞰的に捉えた看護ケアモデルを構築するため,基礎データを基に,病院側と在宅側において,在宅移行期の高齢がん患者の納得の要素を質的研究で調査する予定であった。コロナ禍によるスタッフの欠席や病休などが年間を通してあり、予定していた会議でデータを取ることが叶わなかった。収束の目途が立たなかったため、病院側での質的調査は断念し、文献よりここのデータを埋めることとし、在宅側のインタビューを本年度は取り組んだ。倫理委員会と対象施設の承諾を受け、5名の対象者よりデータを収集を行った。具体的には、平均年齢79歳、男性3名、女性2名、疾患は肝臓・膵臓・大腸・胃・肺がんであった。がん治療後に在宅移行した高齢がん患者が、納得して療養生活に身を置くために重要なこととして、5【カテゴリー】と12<サブカテゴリー>が抽出された。がん治療後に在宅移行した高齢がん患者は、【自分の病気が今後どうなるのか先行きが予測できる】や、在宅に移行した後【癌の罹患に関わらず、自分の意思で自由に動ける】こと、【今までのように自分がしていたことを継続できる】ことが納得する上で重要であることを語っていた。また、<自分を支えてくれる周りや友達がいる>ことで、がんに罹患する前の生活に戻れ、生活に張り合いが出るため【自分の生活の中に今まで通りの近所の方や友達がいる】ことが納得に大きく影響することを語っていた。最後に、<車を運転していた者がタクシー生活はできない>と綺麗ごとを言われても現実的ではない生活はできないと【がんの治療を続けながら生活の便利さを維持できる】ことが納得の上で重要であることを語っていた。今後は、文献検討した施設側のデータと在宅側の実情を踏まえて看護プログラムの構築をしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により集合型の質的研究ができなかったが2023年3月の段階で病院への質的研究は文献調査で補完していくと計画を変更し、在宅の質的研究を推進することで対応したことで、おおむね順調に調査できていると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、在宅移行期における高齢進行がん患者の納得を支援する看護ケアモデルの構築の最終年度であるため、文献のデータおよび在宅での質的データより、ケアモデルを開発していけるようにケアモデルに関する先行研究を確認しつつ、研究者間でモデルを考案していく作業を行う。その過程において、日本がん看護学会へ参加し情報収集など行い、現状を踏まえたモデルになるようにしていく。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況に合わせた研究分担者の使用状況より、次年度に繰り越すことにする
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Research Products
(1 results)