2021 Fiscal Year Research-status Report
アルコール依存症者の家族へのエンパワメントプログラムの効果の測定と検証
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20K10790
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
越智 百枝 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (40270053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
中平 洋子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (70270056)
坂元 勇太 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (30761241)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アルコール依存症 / 家族 / 教育支援プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、開発したアルコール依存症者の家族への支援プログラムの効果測定と検証を行うことである。コロナの感染状況が落ち着いている時期に、プログラムを1コース実施し、参加者4名のデータ収集を行った。また、昨年度は国外文献を分析した結果、評価指標として家族の心身の健康状態、家族関係、依存症者への対処行動を、また、これまで実施したプログラムの評価で見られた家族の変化から、家族の前向きさや希望を採用することとした。そこで、今年度は上記4つの指標について、国外の依存症者の家族への介入プログラムの評価に関する先行研究で用いられている評価尺度の検討を行った。 用いられていた評価尺度としては、国外文献14件中、心身の健康状態は、うつ状態を測定するBDIが7件と多かった。家族関係は、家族環境を測定するFESが7件、関係性幸福度尺度であるRHSが6件と多かった。また、依存症者への対処行動を評価指標とした4件の研究はすべて異なる尺度を用いていた。家族の前向きさや希望に関する評価尺度は見られなかった。 評価指標の測定尺度の候補としては、家族の心身の健康状態についてはBDI、家族関係については、家族環境を測定する為のFESを候補とした。これらの尺度は信頼性・妥当性の検証がなされている評価尺度であり活用が可能と考えられた。アルコール依存症者への対処行動はCQIを候補とした。CQIについては、邦訳され信頼性や妥当性の検証がなされたものがないため、今後類似する日本語の尺度の有無や邦訳の検討を行う必要がある。また、前向きさや希望を測定する尺度として、長年家族介入の評価尺度の開発を継続的に行っているOrfordらによりCQIとともに開発が進められているHOPE尺度が候補としてあげられるかもしれない。この尺度については日本語の類似する尺度があるのか、あるいはCQI同様、邦訳の検討が必要なのか探索を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナの感染状況が落ち着いている時期にプログラムの実施ができるなど研究協力機関の協力体制は整っているため、今後も順調に進展することが期待できることや、評価指標の抽出と評価尺度の検討も文献検討により進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究協力施設の拡大を図るために、学会発表、交流集会等でプログラムの周知を図っていく。WEBを活用する手立てができたので、遠方の地域でも、研究協力が得られる機関を募っていく。
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Causes of Carryover |
コロナの感染拡大の影響でプログラム実施が1コースのみであったため、今年度も引き続きコロナ感染状況を踏まえつつ、昨年度研究協力機関からWEBでのプログラム実施について前向きな検討を行っていただくことができたのでプログラム実施を2コース予定している。学会等に積極的に参加し研究協力機関の発掘を行っていく。
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