2023 Fiscal Year Research-status Report
アルコール依存症者の家族へのエンパワメントプログラムの効果の測定と検証
Project/Area Number |
20K10790
|
Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
越智 百枝 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (40270053)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 特任教授 (00172792)
中平 洋子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (70270056)
坂元 勇太 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (30761241)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | アルコール依存症 / 家族 / エンパワメントプログラム / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アルコール依存症者の家族へのエンパワメントプログラム(以下、FEPと略す)を実施しその評価を行うことである。 今年度は1研究協力施設で、研究協力施設の保健師2名によるアルコール依存症者の家族3名を対象にFEPを実施した。加えて昨年度実施したFEP参加者7名を対象に、3カ月後、6カ月後、12カ月後のFEPの効果の持続とFEP受講による対象者及びアルコール依存症当事者、その他の家族の変化についてインタビューを行った。今後は引き続きデータ分析を行っていく予定である。 研究成果の公表として、これまでに蓄積したデータから、研修を受講した保健師がアルコール依存症者の家族10名を対象にFEPを実施した。家族は40~70歳代であった.続柄は配偶者8名,親・子2名であった.目標①気持ちや思いを十分に吐き出す,②孤独感から解放される,③解決像を描く,④思考の枠組みの中から対処法を選択する,⑤選択した対処法を実行できるは全員が達成した.⑥実行した対処を振り返りより効果的な方法を検討できる,⑦内在する自身の力に気づくは対象者の80%が達成した.研修を行うことで著者ら(2021)の研究結果と同様の効果が見られたことから,保健師への研修が適切であったこと、保健師実施によるプログラムが有効であったと考えた.これについて「保健師によるアルコール依存症者の家族への解決志向アプローチを用いたエンパワメントプログラムの評価」というテーマで論文投稿を行い採択(2024.3.16)された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ収集及びデータ分析、研究成果の公表が計画通り行えていることからおおむね順調に進展しているとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、令和5年度にFEPに参加した家族3名の3カ月後、6カ月後、12カ月後のFEPの効果の持続や家族・当事者・その他の家族の変化についてのデータ収集を行っていく。さらに、令和4年度にFEPに参加した家族7名の分析を行っていく予定である。 また、平成26年から令和5年度までに収集した合計30名の対象者のデータより、アルコール依存症当事者が一度も治療につながっていない家族(以下、未治療群と略す)10名、断酒会には参加しているが定着していない家族(以下、未定着群と略す)10名、断酒会に定着している家族(以下、定着群と略す)10名の属性別の変化や違いに着目して評価していく予定である。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍で研究が実施できなかった時期に使用できなかった資金がそのまま残額となっている。令和5年度に収集したデータの逐語ろくの作成に300,000円、昨年度実施したプログラム参加者の追跡調査のための旅費100,000円、逐語ろくの作成に200,000円、学会発表のための旅費(3名分)300,000円、研究分担者への分担金130,000円などで使用予定である。
|