2023 Fiscal Year Research-status Report
在宅精神障害者のエンド・オブ・ライフケアの実践的モデル構築
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20K10795
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
郷良 淳子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40295762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 純子 大手前大学, 国際看護学部, 教授 (50413422)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 在宅精神障害者 / エンドオブライフケア / 困難 / 事例研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、精神疾患を持ちかつ生命維持のリスクとなる身体疾患を持つ人のエンド・オブ・ライフケア(以下EOLCとする)の特徴と課題を明らかにすることを目的とした。在宅でのこのような患者(以下事例とする)への看取りは全く手探りの状態で、経験のある訪問看護師の研究協力者としてのリクルートには困難を極めた。結果的に、目的的サンプリングで、看護職15名(訪問看護師10名、その他看護職5名)に、データ収集を行った。 語られた事例は、統合失調症が13名、アルコール依存症が2名、気分障害2名、強迫性障害2名、その他1名で、男性8名、女性12名であった。がんを併発していた事例が17名であり、統合失調症で、かつがんの事例は11名であった。明らかになった特徴は、統合失調症の事例では【がんの強い否認】があり、がんの治療やケアができないまま亡くなっていた。加えてほぼすべての事例で、【精神症状に覆われる痛みの感じなさ】があり、看護職は、身体疾患のアセスメントやケアの困難さを感じていた。結果的に事例が望む【変わらない日常生活行動の継続】に応えるケアを行い、一方で【EOLC の逡巡】が看護職にはあった。 また【生死の意思決定の断続的な支援】の困難さは、事例の【死の否認】と【精神症状に覆われる痛みの感じなさ】に起因していると考えられた。訪問看護師に特徴的なケアは、これまでの愛憎まみえた事例と家族の関係性を理解して、【患者に両価的な思いを抱える家族のケア】であった。【生死の意思決定の断続的な支援】のために精神障害者の特徴を踏まえたアドバンス・ケア・プランニングの必要性があるが、【緩和ケア専門職との連携】が、重要であることが示唆された。 この結果に基づき、次年度は、在宅精神障害者へのEOLCの骨子を作成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究当初コロナ禍で研究実施が困難であったことや、所属機関でのコロナ禍における研究以外の業務が多忙であったため。また本研究に該当する研究参加者のリクルートに時間がかかったことが理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
質的研究でまとめた内容を分析し論文にまとめる。 令和5年度までの研究の結果をもとに、精神科訪問看護ステーションの訪問看護師を対象に精神障害者のどのように本人の生き方、死に方への希望を確認しているか、あるいはそれを可能にしているか、その困難は何かを質的研究で明らかにする。そのうえで、精神科訪問看護ステーションの訪問看護師を対象にアドバンス・ケア・プランニングの実態と困難を質問紙調査で同定し、この2つの結果を統合させる。それに基づいて、在宅精神障害者のEOLCの実現に向けての提言と実施に向けた骨子を作成する。
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Causes of Carryover |
研究の実施が遅れており、残り2つの研究を実施する必要があるため 使用計画は以下のとおりである。 データ管理をするノートPCを1台購入予定で、約30万円を計上する。質的研究のインタビューの謝礼として、8万円(1人8000円×10名)とし、調査研究の協力依頼確認の往復はがきの郵送費を約300施設×126円、約4万円及び実際の調査100施設に対する郵送料(100円/施設)で1万円で計上し、通信費(郵送費)を約5万円とする。EOLCに関連する国際学会参加旅費(米国)を50万円とし、国内学会参加旅費を8万×2学会で16万円を計上する。データ起こし、データ入力等の人件費を18万円とする。その他として、ホームページ更新料(約5万円)とPCソフト代・文具等約20万円として計25万円とし、合計約152万円とする。
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