2020 Fiscal Year Research-status Report
Construction of a recovery support model for psychiatric wards utilizing a Japanese-style Recovery-oriented program
Project/Area Number |
20K10799
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
黒髪 恵 福岡大学, 医学部, 講師 (30535026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 明子 久留米大学, 文学部, 准教授 (40469359)
中島 充代 福岡大学, 医学部, 准教授 (60320389)
原田 康平 福岡大学, 医学部, 助教 (70758747)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 精神科病棟 / リカバリー / リカバリー志向プログラム / IPPO / 医療者の変化 / 参加者の変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、コロナ禍において研究テーマであるリカバリー志向のプログラムの実施が一時中断された。そのため、実施できない期間にプログラムについての研修会を行い研究者間でリカバリーに関する知識の共有と研究実践に向けた体制作りを行った。 1.リカバリー研修会:毎月1回リカバリー研修会を研究者で行った。プログラムの実施の方法についてその技法や方法を共有した。他に「対等であること」「ケアリング」「希望」「ファシリテーター」「リカバリー」「ストレングス」などをテーマに学習会を実施した。プログラムのファシリテーターは現在3名であるが、勤務の都合で3名ができないこともあり、さらにファシリテーターを増やしていく必要があった。プログラムの意図を理解しつつ質を維持するために、今回の学習会効果的であった。実践に向けた学習会を継続して実施していく行く必要がある。 2.研究実践への体制づくり:倫理審査申請を行い承認を受けた。新年度、実施病棟の体制が変わり、病棟責任者へ研究の意義・目的と実施方法について説明を行い、許可得た。また共同研究者の役割を明確にし、スムーズの研究遂行できるように継続して話し合いを進めている。 今後は、2021年度及び2022年度は2年間でデータ収集を行い、2023年度はデータの解析と研究継続に向けた計画立案としていく。2021年度は、医療者データを40名、患者データを20例を目標にデータ収集する予定である。そのためにはプログラムを2021年度には10回、各界2名程度の患者さんデータを収集する計画をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、データ収集ができなかった。新型コロナウィルス感染症拡大の影響で病棟でのリカバリー志向プログラムの実施を中断せざるを得なくなったことが影響している。 その間、ファシリテーターの研修を月1回実施し、リカバリーの理解、プログラムの構造やテーマの意味についての学習を深めた。特にプログラム中キーワードとなる「対等な関係とは」「希望」「ストレングス」などについてディスカッションすることでリカバリーチームで学びを共有でき、実施体制を整えるための準備ができたことは成果であると考えている。またプログラムでの参加者の反応やその意味について、病棟の医療チームと共有する方法や共有したい内容の整理の仕方についても話し合い、システム化できるようにした。 1年間調査件数が増えなかったことで遅れている分については、最終年度はデータの整理などを計画していたが、実施期間にあてることで、修正は可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
リカバリー志向プログラムの実践について:2020年度は、コロナ禍でプログラムの実践ができなかった。最終年度である2023年度も調査期間として、2021年度から2年間調査をしていくことで、予定数の確保ができると考える。 実践病棟での異動を踏まえて、2021年度開始と同時に病棟責任者へ調査に関する説明とプログラムの内容を説明し了承を得る。その後病棟の医療スタッフに向けた説明会を行いプログラムの目的や内容を共通する。2021年4月に説明を終了し、許可を得て、2021年5月からプログラムを再開する。プログラムは週1回、4回1クールで実施する。 調査について:プログラム開始と同時に調査を開始する。医療スタッフへの事前調査をプログラム開始前の4月に実施する。プログラム開始時には参加者である患者を対象としてプログラム前後の調査を行う。各クールごとにインタビューを行い量的質的に変化を調査していく。各年度で参加スタッフが変わるため、年度終了時に参加したスタッフへもインタビューを行い変化を確認する。 2021年度、2022年度にデータ収集し、2023年度はデータをまとめて、学会発表および論文作成をする。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で、学会が中止またはオンライン参加となり、出張旅費の使用がなかったことまたイギリスへの海外視察ができなかったこと、研究実践としてのプログラムの実施ができず、プログラム実施にかかる文房具類の購入が不要となったことが影響している。今後2年間でプログラムの実施をしていく。また学会参加が可能となれば出張旅費および可能となればイギリスへの海外視察も計画をしている。 また研究は量的研究と質的研究を計画しており、謝礼を計画している。 以上、プログラムの実践、調査にかかる費用、学会発表にかかる費用が必要であり、今後使用予定である。
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