2023 Fiscal Year Research-status Report
Construction of a recovery support model for psychiatric wards utilizing a Japanese-style Recovery-oriented program
Project/Area Number |
20K10799
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
黒髪 恵 福岡大学, 医学部, 講師 (30535026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 明子 久留米大学, 文学部, 准教授 (40469359)
中島 充代 福岡大学, 医学部, 教授 (60320389)
畑中 聡仁 福岡大学, 医学部, 助教 (90847849)
原田 康平 福岡大学, 医学部, 助教 (70758747)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 精神科病棟 / リカバリープログラム / コ・プロダクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、精神科病棟に入院中の患者にリカバリー志向プログラムを活用してリカバリー支援システムを構築することである。 1.精神科病棟でのリカバリー志向プログラムに参加した医療者の変化と患者の変化 精神科病棟において2019年から2023年に日本型のリカバリー志向プログラムIPPOを実践し、参加前後の医療者の変化と患者の変化を調査した。実践および調査は4年間実施し、医療者は42例、患者は26例調査できた。医療者は、プログラムに参加した人の効果を知るために、参加していない医療者にも調査にて比較を行った。患者は比較群が設定しにくいためプログラム前後の評価を行った。 2023年までに、調査を終了し、2024年度は、データ分析及び論文作成をして、学会発表と論文公表を予定している。 2.医療者のリカバリー認識に関する実践研究 医師および看護師を対象に、リカバリーについての勉強会を実施した。全体研修を1回/年実施し、少人数の看護師勉強会を6回/年実施した。実施後の看護師の反応について、リカバリーの必要性は理解できたが、臨床での実践には至らないという意見がみられた。その背景には、病棟の文化が存在し、誰もがリカバリーできるという感覚や患者と対等に話し合うことの難しさがあるという意見があった。また医師についても、理解はできるが、診療場面では活用されていないとのことであった。今後は質的研究を行い、リカバリーを基盤にした診療や入院中の関わりについて研究を進めていく。その際に、リカバリーカレッジのコ・プロダクションの考え方が参考になるため、イギリスのリカバリーカレッジと連携したワークショップを2024年度に実践する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.入院中のリカバリー支援の実践と評価について コロナ禍で外部の研究者が病棟に入ることができない、グループ活動ができない状況があり、リカバリープログラムの実践ができない期間が生じたことで調査が1年遅れた。そのため、今回1年延長して、実践を進めている。 2.イギリスのリカバリーカレッジ視察について 医療者に対するリカバリーの研修やどのようにリカバリーベースの診療を進めるかについて、イギリスのリカバリーカレッジを視察して学ぶ予定であったが、コロナ禍で海外に行けない年が続いた。今回、イギリスから招聘してワークショップと講演会を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
1.精神科病棟入院中のリカバリープログラムの実践と評価 現在データ収集まで終了しているため、2024年度はデータ分析と論文作成をし、日本の入院中のリカバリー支援における課題を明らかにしていく。 2.病院スタッフへの研修会やリカバリーを基盤にした診療の進め方について、イギリスのリカバリーカレッジから招聘して講演会とワークショップを行う。その中でコ・プロダクションの考え方や実践方法などを理解し、臨床現場へ還元する。
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Causes of Carryover |
本研究は、入院病棟におけるリカバリー支援の構築を目指している。これまで、実態調査を中心に行ってきたが、同時にリカバリー支援が進んでいるイギリスへの視察を計画していた。しかし、コロナ禍の影響によって、渡航ができず、今年度招聘して講演会とワークショップを計画している。そのために、できるだけ予算を次年度に使えるように計画的に執行をしている。
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