2021 Fiscal Year Research-status Report
アドバンスケアプランニングと同時に開始する患者の生活関係清算への支援に関する研究
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20K10804
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田中 愛子 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10285447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藪本 知二 山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (30244768)
永田 千鶴 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50299666)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生活関係の清算 / ヘルスケアチーム / 模擬カンファレンス / 看護師 / 医師 / MSW / 介護支援専門員 / 弁護士 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終的な目的は、人生の最終段階の苦悩に関連する患者の様々な生活関係の清算について、ACPと同時に患者とともに検討を開始し継続的に支援していくことである。そのために、そのことを可能にするチーム医療の在り方と看護のコーディネート機能に新たな役割を創出することにある。 2021年度は、医師3名、看護師1名、MSW1名、弁護士5名のオンラインインタビューを行い、人生の最終段階にある患者の生活関係の清算にどのように携わってきたかを明らかにした。次に、緩和ケア医師、在宅かかりつけ医師、がん専門看護師、訪問看護の経験を持つ大学教員、MSW、介護支援専門員、弁護士の7名でのヘルスケアチームによる患者の今後の医療や看護に関する方針を検討する模擬事例カンファレンスを実施した。模擬事例は2事例であり、1事例につき30分間の検討を行った。1事例目は、45歳の乳がんステージⅣでシングルマザーの患者である。2人の子どもには母親の病状が正確に知らされずに現在に至っている。2事例目は、67歳の会社経営をしている肺がんステージⅣの男性患者である。家族はなく、会社の後始末ができずに急変も予測される。ヘルスケアチームは、患者の思いを引き出すこと、弁護士の支援が必要であれば対応できる体制を整えることを話し合った。こうしたヘルスケアチームディスカッションは、すべてのメンバーにとって初めてであったが、自らの専門性の立場から積極的な問題提起があり、患者を中心とした生活関係の清算のテーマについて有効な話し合いができることがわかった。 2022年度は最終目的にむけて、インタビュー内容と模擬カンファレンスの逐語録から、訪問看護師と一般病棟の看護師を対象とした質問紙を作成し、全国調査を実施する。看護師のコーディネート機能についての実態と課題を明らかにし、人生の最終段階における看護師の新たな役割を見出す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度中に質問紙の作成までを計画していたが、質問紙のもととなる模擬事例カンファレンスの開催時期が遅れたため、質問紙の作成に遅れが生じた。現在調整中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、全国規模の看護師を対象とした質問紙調査を行う。推進計画は次の通りである。 7月に質問紙を倫理審査委員会に提出し、承認を得る。9月から11月に全国調査を実施する。12月から1月にかけて、データ入力と分析を行う。2月から3月に学会演題登録や論文作成を行う。
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Causes of Carryover |
質問紙の作成や調査に係る物品の整備が遅れたため、未使用額が生じた。次年度に看護師を対象とした全国調査を行うことで、予定通りの使用計画を遂行することができる。
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