2022 Fiscal Year Research-status Report
がん治療を受ける患者・家族の在宅での急変時対応に関する地域連携モデルの構築
Project/Area Number |
20K10805
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
千葉 武揚 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (90781659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳴井 ひろみ 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (10237620)
本間 ともみ 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (90315549)
伝法谷 明子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (10553315)
山本 明子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (90826885)
金野 将也 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (20757786)
丹野 真理子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (00847577) [Withdrawn]
工藤 若子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (20847694)
須藤 沙也佳 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (40911194)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 急変時対応 / がん患者・家族 / がん治療 / 在宅 / 地域連携モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】がん治療を受ける患者・家族の在宅療養中における急変時対応を支える地域連携モデルを構築するため、がん治療や救急医療を担う専門職を対象にがんや治療に起因した急変時対応に対する現状と課題についての認識を明らかにすることである。
【調査方法】がん治療や救急医療を担う専門職者を対象に個別インタビューを実施する。インタビューではがん治療を受けながら在宅療養する患者・家族のがんや治療に起因した急変時対応に対する対象者の考えや思いを語ってもらう。データ分析は質的帰納的方法で行い、がん治療を受ける患者・家族の在宅療養中における急変時対応の現状と課題への認識と考えられる内容を明らかにする。
【結果】令和4年度は対象者3名(がん薬物療法を担う外来看護師2名、二次救急医療施設の救急外来看護師1名)のインタビュー調査を実施した。分析結果(分析途中):がん薬物療法を担う外来看護師が認識している急変時対応の現状は、電話相談の内容から緊急性を判断する、各診療科へ速やかに繋ぐ、家族や在宅療養を担う他職種から情報収集する、他施設でがん治療中の急患に対し治療に関する情報がないまま対応する等であった。また急変時対応の課題は、電話対応する看護師の知識不足、患者自身の急変に関する知識不足、家庭医が対応できない、在宅療養を支える他職種との連携不足、家族の支援が得られにくい等であった。救急外来看護師が認識している急変時対応の現状は、緊急性を判断して医師に繋ぐ、急変時対応に必要な環境を整える、症状の緩和に最善を尽くす、患者や家族から情報収集する、在宅療養を支援する他職種に連絡する、心理面に着目して安心感を提供する等であった。また急変時対応の課題は、対応するスタッフが不足している、看護師のがんや治療に関する知識・技術の不足、院内のがん治療に関連する職種との連携不足、地域の医療機関の連携不足等であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
調査期間である令和2年度より感染が拡大した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、研究協力者である医療従事者の業務が多忙となったことから研究調査開始当初より令和4年度後半にかけてインタビュー調査を実施することが困難となった。その間も研究調査の依頼や同意を得るための研究活動を行い、調査再開に向けた準備を行った。感染動向が収束しはじめた令和4年度末より、医療従事者への研究調査活動を再開したが、研究実施計画からは大幅に遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までにインタビュー調査を実施した内容の分析を行うとともに在宅でがん治療を受けている患者・家族を対象としたインタビュー調査に向けて、所属施設の研究倫理委員会に申請を行う。申請が承認された後、対象者へのインタビュー調査の実施と分析を研究メンバー間で役割分担しながら効率的に進めていく。研究調査活動にあたっては、再び新型コロナウイルスの感染動向の影響を受ける可能性があるため、調査の実施方法としてオンライン等の活用も視野に入れながら準備を進めていく。 また、調査結果から明らかとなったがん治療を受ける患者・家族の在宅での急変時対応に関する課題を解決するために必要な方策を地域連携に焦点をあてて検討していく。
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Causes of Carryover |
【当該助成金が生じた状況】令和4年度の研究計画は昨年度から引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響を受け研究対象者である医療従事者が業務多忙のため、インタビュー調査の実施が困難な状況となったことから予算計上していた研究調査に関する経費に未使用額が生じた。
【使用計画】これまで実施してきた調査内容の分析と分析結果について研究発表を行うための活動や次年度に計画している研究協力者へのインタビュー調査に必要な経費を執行していく。
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