2021 Fiscal Year Research-status Report
睡眠・覚醒相後退障害患者に対するハイブリッド型認知行動療法の開発及び有効性の検証
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20K10825
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山本 晴美 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (80800565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
叶谷 由佳 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80313253)
森田 久美子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教育教授 (40334445)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 睡眠リズム障害 / 看護介入 / 動機づけ面接 / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠覚醒相後退障害(Delayed Sleep Wake Phase Disorder:DSWPD)は,社会生活を送る上での望ましい時刻に対して大幅に遅れた状態のまま睡眠時間帯が固定され,いわゆる”夜型化”し,社会生活に支障をきたす疾患である。その有病率は一般人口の0.17%と推定されている。また,DSWPDは精神疾患・身体疾患の発症リスクを高め,不登校やひきこもり,パフォーマンスの低下をもたらすことが深刻な問題となっている。本研究では,中でも動機づけの低いDSWPDの動機づけの問題と入床・覚醒リズムの一定化を促す非薬物療法による介入技法の開発と検証を行うことを当初の計画とした。特に非薬物療法として①CBTの睡眠スケジュール法,②対人関係社会リズム療法,③動機づけ面接の3つの介入技法から構成される方法についての開発・有効性の検討を目的としていた。
しかしながら昨今のCOVID-19の感染拡大や感染予防策の影響により,学生は従来の対面授業からオンライン授業へ社会人は出社や対面によるビジネスワークからリモートワークへとシフトするなど社会全体に大きな変化がみられ,日中の生活リズムや睡眠リズムや睡眠時間の確保をこれまで以上に個人がコントロールしていく必要性が求められている。その一方で,そのため当初の対象としたDSWPDの疾患として診断される以前に潜在的な状態にある学生や社会人が増加していると思われる。そこで今年度,本研究では当初の計画より現在DSWPDに影響を与えていると思われる要因についての検討や集団を対象としたグループMI(動機づけ面接)についての検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では当初,DSWPDに対し非薬物療法として①CBTの睡眠スケジュール法,②対人関係社会リズム療法,③動機づけ面接の3つの介入技法から構成される方法についての開発・有効性の検討を目的としていた。 しかしながら昨今のCOVID-19禍で生活パターンの変化はこれまで以上に潜在的なDSWPDを生み出していると思われ、当初の計画とは別の面からデジタル依存や人間関係の構築などについて探索している状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討で,新たにデジタル依存の問題や対人関係における関係性の構築などの課題が出てきている。当初の研究計画をふまえ,これらの要因への対応を含めた介入について検討する。 また,今後もCOVID-19による影響などを鑑み,実施可能な範囲で行える研究計画の修正を行っていく。
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Causes of Carryover |
COVID-19禍における研究の中断,学会や研修の中止などにより予定金額使用できなかったため、次年度使用額への繰り越しが生じた。次年度は,学会や研修などの開催予定もあるため,積極的に参加し情報収集やスキルの修得に努め,研究をすすめていく予定である。
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