空間疫学を用いた地域特性に基づく更年期女性のヘルスリテラシー向上プログラムの開発

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K10828
• Research Institution: Nagoya University
• Principal Investigator: 島 明子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (80337112)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 林 登志雄 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (80303634) ; 中杤 昌弘 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (10559983)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 更年期女性 / ソーシャルネットワーク / ソーシャルサポート / ヘルスリテラシー / 更年期症状

Outline of Annual Research Achievements

本年度は大規模調査の前段階に位置づく。本年度調査は、小集団を対象として横断調査を行った。一地域を対象として、地域に在住する女性の更年期症状について、地域の特性、ヘルスリテラシー、ソーシャルサポート・ネットワーク、健康情報の質の側面から、関連する要因を抽出することを目的とした。都市周辺地域の1地区を抽出し、地域に在住する45～55歳の女性を対象として、質問紙郵送法を用いてデータ収集を行った。質問紙にはソーシャルサポート・ネットワークの測定のために日本語版SSQ-6を用いた。
結果は、対象者の更年期症状の頻度は、先行知見に比較して低率を示した。ソーシャルサポートのネットワークサイズは平均で1.7名と小さく、ソーシャルサポートの質に満足していると回答した女性は80％以上を示した。更年期女性のソーシャルサポートについて、ネットワークサイズは小さいが、ソーシャルサポートに対する満足度が高い実態が抽出された。ヘルスリテラシーにおいては、自己の健康状態にあった情報を選択する難しさが抽出され、健康情報の活用においては、選択肢にどのような効果があるかを詳しく情報提供してほしいというニーズが抽出された。更年期症状の頻度には、ソーシャルサポートの満足度、ヘルスリテラシー、健康情報の質の全ての要因が弱い関連を示した。
本結果より、近隣レベルのソーシャルキャピタルにおいて、更年期女性のソーシャルサポートのネットワークサイズが小さいという特徴が見いだされ、新たな健康情報の獲得や情報活用、ヘルスリテラシーの向上にどのように影響するか、今後、大規模集団を対象とした調査において、地域と対象を拡大して分析する予定である。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウィルス感染拡大のため、住民を対象とした調査の実施が遅れている。対象地域の選定と協力依頼に時間を要している。本調査は、新型コロナウィルス感染拡大が収束した時期に小集団を対象として実施したが、大規模調査においては更に地域選定とデータ収集方法の見直しを要しているため、遅延している。

Strategy for Future Research Activity

新型コロナウィルス感染拡大状況を見ながら、対象地域の選定と協力依頼を早期に行う。データ収集方法について、WEB調査を一部取り入れることを検討し、今後は大規模集団で検証する予定である

Causes of Carryover

新型コロナウィルス感染拡大の影響により、地域住民を対象としたデーター収集に遅延を生じたため、研究計画の実施が遅延している。当初予定の大規模集団を対象とした調査の実施を次年度へ延期したため、次年度に使用額が生じた。次年度使用額は、大規模集団へのデーター収集にて使用予定である。