2023 Fiscal Year Annual Research Report
Assessment of the severity of night-time crying in early infancy based on analysis of sleep structure
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20K10852
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
兒玉 英也 秋田大学, 名誉教授, 名誉教授 (30195747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 ひとみ 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (80319996) [Withdrawn]
熊谷 真愉子 (小西真愉子) 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (20816251)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 夜泣き / 乳児 / 睡眠発達 / 睡眠構造 / 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、これまでコロナ禍により遅延していたデータ収集を継続して行い、生後4ヶ月の児の自宅での夜間睡眠の構造を、アクチグラフによる体動の加速度データとスリープスコープによる睡眠脳波を用いて3日間連続で記録した。最終的に得られたサンプルから夜泣きが頻回にみられた児3例(夜泣き群)と安定した夜間睡眠が常態化していた児5例(対照群)について、データの比較を行った。夜泣き群と対照群の夜間睡眠の各睡眠ステージの総睡眠時間に対する割合を比較したところ、覚醒時間の割合は夜泣き群で有意に大きかったが、レム睡眠とステージ3-4期のノンレム睡眠の割合は、両群間に差を認めなかった。ステージ1-2期のノンレム睡眠の割合は、有意水準には満たないものの夜泣き群で少ない傾向を認めた。生後7か月の機能的発達は、両群間に差を認めなかった。 以上の分析から、以下の結論を得た。1)夜泣きが頻繁にみられる児は、夜間の覚醒時間が長いことで総睡眠時間は減少しているが、深い睡眠は保たれている。2)夜泣きが頻繁にみられる児は、入眠すると比較的短時間で深い睡眠に達すると推定される。3)新生児期にみられる動睡眠(レム睡眠)の減少は児の睡眠発達の指標の一つと考えられるが、レム睡眠の割合は両群に差がなくかった。 生後4か月で夜泣きが鎮静化しない3名の児の睡眠構造は、夜泣きのない児と比較して生理学上の問題は認められなかった。従って、これらの児の睡眠発達は、特に遅延していないものと推測される。しかし、今回は少数例の検討であり、今回分析した児に生後7か月で機能的な発達障害が明らかな児が存在しなかったことから、発達障害に連鎖する乳児期早期の夜泣きと睡眠発達の関係を検証するには、さらなるデータの収集が必要である。
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