2020 Fiscal Year Research-status Report
養護教諭の学校保健の推進にかかわる対処の特定と教育プログラムの開発
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20K10871
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
浦口 真奈美 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 講師 (70848605)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 養護教諭 / 職務 / 学校保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、養護教諭の職務上の悩みの観点から日常的に行っている対処を幅広く抽出し、学校保健の推進に関わる養護教諭の職務スキル向上のための教育プログラムを開発することを目的としている。 2020年度は、養護教諭25名に対しインタビューを行い、悩む場面に注目し分析を行った。その結果、「養護教諭としての職務を認知や管理する場面」、「医学心理社会的ケアを行う場面」、「生徒保護者に対応する場面」、「組織の一員であることを意識する場面」、「他の教員との生徒に対応する場面」で悩みが生じていることが示唆された。更に、養護教諭の悩みの特徴を明確にするため、養護教諭の悩みに対する養護教諭自身の認識と、学級担任、管理職、教科担当教員の各立場の認識の相違について分析を行った。小学校、中学校、高校などの教員38名に対し、養護教諭の職務上の悩みを自由記述により求めた。養護教諭の悩みは18カテゴリーに分類された。更に、コレスポンデンス分析およびクラスター分析を行った結果、悩みは次の以下の4クラスター、「少人数医療職としての悩み」、「特別な配慮を要する児童生徒に関わる悩み」、「少人数専門職としての悩み」、「組織成員としての悩み」が抽出され、立場による認識の違いがみられた。それらの結果から、養護教諭と教員が、共通して認識している養護教諭の悩みについて、学校保健の課題として共有しやすい可能性や、他教員から認識されにくい養護教諭の悩みが示唆された。また、現在勤務している看護学部で実施されている養護教諭養成教育プログラムにおける科目内容を概観し、今後の教育プログラム開発の基礎資料とした。2021年度は、養護教諭の職務上の悩み対する対処について調査分析することを予定している。 本研究課題に関し、日本心理学会第84回大会における学会発表、教育相談研究および教育実践論集に論文発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度に、養護教諭の職務に関わる関係者にインタビュー調査を行う予定であったが、COVID-19の教育現場への影響により、対象者への依頼、およびインタビューを行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、対象者へのインタビューを実施し、分析を行い、その結果をもとに質問紙の項目プールを作成し、量的調査の準備を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度は旅費の支出がなかった。学会参加やインタビューにおいて、関東以外にも移動する予定であったが、COVID-19により、移動制限があり旅費を使用する機会がなかった。2021年度は、感染状況や教育現場の状況に配慮し、研究を進める予定である。
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Research Products
(4 results)