2022 Fiscal Year Research-status Report
養護教諭の学校保健の推進にかかわる対処の特定と教育プログラムの開発
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20K10871
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
浦口 真奈美 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 講師 (70848605)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 学校保健 / 養護教諭 / 職務 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、養護教諭の職務上の悩みの観点から日常的に行っている対処を幅広く抽出し、学校保健の推進に関わる養護教諭の職務スキル向上のための教育プログラムを開発することを目的としている。具体的には、①養護教諭の専門性発揮に関わる職務上の工夫(対処)の特定と関連する尺度の開発、および②養護教諭養成課程や現職養護教諭における専門性の発揮に関する教育プログラムの開発を実施する。 2022年度は、主にこれまで収集されたインタビュー等で得られたデータの再整理を行った。まず、養護教諭の悩みを過去30年間のスパンで改めて概観した。主に、保健医療の力量に関する悩みと教職員との連携に関する悩みに大別され、ほぼ変化がないことが示唆された。 次に、養護教諭22名に対するインタビューで得られた、経験的に獲得した職務上の工夫(対処)について、妥当性を担保するため、心理学系の修士号を持つ複数名の協力者と再度分析を行った。その結果、児童生徒や教職員への工夫等、幅広い工夫(対処)を実践していることが確認された。また、これらの職務上の工夫が、管理職が認知する、養護教諭の良い実践との学校保健活動推進に関わる行動との一致性から、学校保健活動の推進にも寄与するものであることが示唆された。 2023年度は、今年度の分析結果をもとに、養護教諭の職務上の取り組みに関する量的調査を実施し、収集されたデータを分析し、今後の教育プログラム開発の基礎資料とする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
養護教諭の職務上の工夫に関して、新型コロナ感染症の影響を加味した詳細な分析、および妥当性の更に向上する作業を追加した結果、予想以上に時間を費やした。また、学校長等の管理職へのインタビューおよび分析作業が、新型コロナ感染症の流行で滞ったことが、量的調査の実施準備に影響し、遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、養護教諭および管理職から得られた質的分析結果をもとに、養護教諭に対する量的調査を実施する予定である。また、学会発表や学術雑誌への投稿し、研究成果を公表する計画を進めている。
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Causes of Carryover |
2022年度は、新型コロナウイルスの流行が継続したため、複数名による分析作業等をオンラインビデオ会議で行ったことや、学術大会がオンライン開催されたことから、旅費が想定よりもかからなかった。また当初量的調査を予定していたが、実施できず、調査費用がかからなかったことが理由である。 次年度以降の調査においては、量的調査の実施や、現地開催の学術大会へ参加等を予定しているため、各種予算を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)