2020 Fiscal Year Research-status Report
子宮頸がんワクチンに関する意思決定を支援する情報提供システムの開発と検証
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20K10872
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
舟木 友美 摂南大学, 看護学部, 助教 (40826228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩隈 美穂 京都大学, 医学研究科, 准教授 (60512481)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 子宮頸がん / 情報提供 / 意思決定 / ワクチン接種 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮頸がんの主な原因は、ヒトパピローマウィルス(HPV)への感染であることがわかっており、この感染はワクチン接種を受けることにより、約6~7割予防できると報告されている。日本では2013年4月からHPVワクチンの定期接種が制度化されたが、接種後の副反応疑いの慢性疼痛等が報告され、同年6月に“積極的な接種勧奨の差し控え”が決定された。その後、HPVワクチンの接種率は定期接種の対象であるにもかかわらず、1%未満まで低下している。一方、2020年10月に国はこれまで制限していた被接種者への個別情報提供や周知を拡充し、接種を希望した場合に円滑な接種につながるようにと方針転換をした。 2020年度は計画の初年度にあたり、ワクチン接種対象者およびその保護者の、接種に関する意思決定を支援する情報提供の在り方を検討するため、予備調査を行った。2020年度前半には、先行研究の文献検討およびビッグデータの解析により、意思決定に影響する要因や情報のニーズを調査した。その結果、接種の対象であることすら知らなかった等の「情報提供の不足」に加え、「子宮頸がんやワクチンに関する知識・認識の不足」「副反応への恐怖」「ワクチンに関する情報提供者との関係性」「接種対象者とその親との家族関係」などが意思決定に影響していることが明らかとなり、それらを補う情報提供の必要性が示唆された。 しかし、2020年10月に国の方針が転換されて以降の当事者の実態が反映されないため、この結果のみでは適切な支援につながらないことが予想された。そこで、インタビュー調査を追加することとした。2020年度後半は、計画修正およびインタビュー調査に関する倫理申請書類の作成を行い、倫理申請が完了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
HPVワクチン接種に関する国の方針が、2020年10月に変更された。そのため当初予定していた研究計画の一部変更、修正を行ったため、やや遅れている。具体的には、ビッグデータ解析の結果から質問紙を作成する予定であったが、インタビューによる調査を追加した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在申請している倫理審査の承認が下り次第、インタビュー調査を実施し、その結果をもとに質問紙調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウィルス感染症の影響により、学会や研究会が中止またはオンラインとなり、旅費が不要となった。 2021年度は、計画変更に伴い、インタビュイー調査が追加された。研究協力者への謝礼やテープ起こし等の業者委託費として使用する予定である。
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