2022 Fiscal Year Research-status Report
早産児の体動から状態理解につながるNICUに入院する家族のための養育支援ツール
Project/Area Number |
20K10880
|
Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
清水 彩 京都橘大学, 看護学部, 准教授 (90552430)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 豊恵 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (00452433)
岡田 志麻 立命館大学, 理工学部, 教授 (40551560)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 早産児 / 家族 / 体動 / ファミリーセンタードケア / ヘルスリテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は,第2段階にて、早産児の体動の日内変動に影響する【要因探索】と,第3段階:家族向け早産児の体動に関する理解を助けるツールを作成する【媒体作成】を進めた. 【要因探索】については,早産児の体動に影響を及ぼしている新生児が経験する『痛み』と『疼痛管理』』に関するレビューを行った.『処置痛』と『術後痛』を対象として,Cochrane Review,PubMed,医学中央雑誌等にて,ガイドラインやシステマティックレビューを検索した.その結果,外的要因としては,環境(光・音等),日常生活援助(いわゆるお世話)(おむつ交換,体位変換,環境調整,癒し等),(お世話以外で要する)看護行為(バイタルサイン測定,吸引,注入等),診療(採血,薬剤等),内的要因としては,児の疾患,児の成長・発達(臓器の成熟,体力等),生理的ニーズ(空腹,努責感,疲労等),ストレス対処力(疼痛の持続,不快感,慣れ等)が抽出された.一方で,外的要因のケア管理の可能性を検討する仮説検証の準備を進めた. 【媒体作成】については,家族向け早産児の体動に関するツール開発について,海外での取り組みを情報収集した.両親が体動からわが子(早産児)の状態理解が促進されるかかわりを推奨し,そのかかわりが早産児に及ぼす効果を示す一般的な特性について紹介するツールが活用されていた. よって,家族向け早産児の体動に関する理解を助けるツール開発には,家族が早産児とのかかわりへの動機づけも必須であることが明らかになった企画とツール案の作成を開始し,(フィールドワーク再開後,)提供方法について検討する. 以上より,令和5年度は,先行研究のレビューを通して仮説検証するデザインを検討し,既存の画像から場面特定と解析準備を進め,家族向けのツールについても,企画とツール案の作成に進むことができた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和4年度は,既存データを用いる計画変更(仮説の修正)をしたことにより,看護職のかかわりを解釈したプロトコールの作成や場面の切り取る新たな作業が想定よりも複雑化し,その作業を進めることに困難さが生じて,研究の進捗に遅れが生じた.そこで,次年度以降,状況を考慮しながらも,共同研究者と定期的に共有し,スーパーバイズもタイムリーに得られる体制を調整し,可能であれば,研究補助者を確保する等の対策強化をする見通しを立てている.
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は,早産児がミニマムハンドリングにて安静(安楽)を保持していけるように、早産児の体動の日内変動と影響する外的要因を明らかにする仮説の実証(第2段階)と,家族向け早産児のかかわりを促進し、体動を含めた早産児の理解を助けるツールの作成と評価(第3~4段階)を計画している. 第2段階ついては,早産児の内的要因:児の疾患,児の成長・発達(臓器の成熟,体力等),生理的ニーズ(空腹,努責感,疲労等),ストレス対処力(疼痛の持続,不快感,慣れ等)を考慮して,日内変動のある体動と外的要因;環境(光・音等),日常生活援助(いわゆるお世話)(おむつ交換,体位変換,環境調整,癒し等),(お世話以外で要する)看護行為(バイタルサイン測定,吸引,注入等),診療(採血,薬剤等)との関連を検証する。 第3~4段階ついては,令和4年度に作成した企画案に基づき、利用対象をNICUに入院されている早産児に面会する両親とするツールを作成する。内容については、海外での取り組みと本研究の第2段階までの結果を参考に,両親と始めるNICUからの育児(ファミリーセンタードケア)、両親から早産児へ推奨される(時期相応しい)かかわりの紹介(わが子に関心を向ける動機付け)、両親が早産児のお世話をする際に手掛かりとなる一般的な早産児に関する知識提供(わが子のしぐさ等に関心を向けるきっかけづくり)を柱とする。(フィールドワークできる状況になれば,)倫理審査を経て、当事者への調査を経て、実用性等の評価をする. なお、調査結果については,国内外の関連学会にて結果を公表する機会を設ける.
|
Causes of Carryover |
(理由)COVID-19の感染拡大に伴う研究活動の制約による計画実施ならびに発表等が困難だった点があり,次年度に繰り越しとなり,次年度使用が生じている. (使用計画)計画実施に準じて,発表等を計画していく.
|