2020 Fiscal Year Research-status Report
性被害・性加害を防止する性的権利尊重・行使e-learningプログラムの開発
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20K10883
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
内海 千種 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (90463322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横谷 謙次 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (40611611)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Sexual Victimization / COVID-19 |
Outline of Annual Research Achievements |
性暴力被害者や加害者のメンタルヘルス状態の検討をおこなうため、まずは基礎データとして、COVID-19感染拡大による緊急事態宣言が国民のメンタルヘルスに及ぼす影響について調査を行った。その結果、第1回目の緊急事態宣言によって、例年より心理的ストレスや治療を要する抑鬱状態の報告が顕著に増加していることが明らかとなった。また、医療従事者だけでなく、若年者、女性、学生、精神疾患の既往歴、経済状況などが心理的ストレスの高さと関連があること、その危険因子として「孤独感」「COVID-19に関する不眠や不安」等が示された。さらに重症化の背景には、身近な人との関係の悪化や、仕事や学業における支障をはじめ、多様な問題構造が抽出された。なお、保護因子としては「健康的な睡眠習慣」「楽観性」などが認められている。 その他、性犯罪者に対するBrief Therapy (BT)の実施事例を通して、犯罪を防ぐ要因として、犯罪者の個人的で適応的ではない価値観の明確化ならびにその価値観の変容の重要性を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大により、当初実施予定であった年度初めの大学新入生に対する全数調査を実施することができず、結果、追跡調査の実施も行うことができなかった。またCOVID-19感染拡大による心理的影響によって、これまでの精神健康に関する調査結果をベースラインとして使用することができなくなり、感染下におけるメンタルヘルスの現状を把握するため、新たな調査が必要となった。以上より、調査内容を変更し実施するための時間が必要となったため、進捗状況としては遅れている事態となっている。しかし基礎データとなるCOVID-19感染拡大下の国民のメンタルヘルスデータや、加害者への個別支援についての検討を行うことはできている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19感染がすぐに収束することは考えられず、協力者への対面での調査説明がかなわないことから、大学生を対象にした大規模調査は差し控えることとし、可能な限りオンラインを利用した調査に切り替えることとする。また当初予定で計画していた実験については、オンラインでの調査結果を踏まえ、実施内容を再検討した上で、感染対策を講じ出来る限り実施する。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大により、当初予定していた年度初めの調査をうけての追跡調査を実施することができなかった。そのため、追跡調査の謝金などを支払うことができず、次年度に繰り越すこととなった。 次年度、当初予定の実験とともにオンラインのみで完結出来る調査に計画を修正、実施することで、今年度繰り越し分を使用する予定である。
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Research Products
(4 results)