2022 Fiscal Year Annual Research Report
A longitudinal study of the effect for postural control strategy by pelvic support belt during pregnancy and postpartum
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20K10887
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
須永 康代 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (00444935)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 妊産婦 / 骨盤ベルト / 歩行 / 姿勢制御 / 動作解析 / 重心 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠中および産後の女性を対象として、骨盤支持ベルト装着有無による動作時の姿勢制御の比較を行った。課題動作は椅子からの起立動作、起立から歩行を行う一連動作、歩行とした。11名の妊婦における骨盤支持ベルト装着時と非装着時の計測を行った。うち5名は妊娠24~25週,32~33週の時期,3名は妊娠24~25週、32~33週、産後6~8週の時期に経時的な動作計測を行った。経時的に2回以上の計測が可能であった対象者のうち4名は、初回計測時に骨盤支持ベルト装着の指導を行い、妊娠中(~産後)可能な限りベルトを装着するよう指示した。 妊婦Aでは妊娠25週時点において、ベルト装着時に前後方向成分が増加していた。妊婦Bでは同様に妊娠24週、さらに32週時点においても、ベルト装着時では前後方向成分が増加しており、歩行時の前方への推進力を得られていた。一方で、産後においてはベルト装着有無による大きな差は生じておらず、今回、妊娠期の骨盤帯の弛緩性増大に対し、ベルトの装着によって圧縮力が生じ、脊柱からの荷重とそれに対する下肢からの抵抗力がつり合う、いわゆる荷重伝達が担保された可能性がある。 本研究において、当初の目的でる、骨盤ベルトによる指示が動作時の姿勢制御戦略に及ぼす効果について明らかにした。特に妊娠中における骨盤帯の弛緩性増大に対し、骨盤ベルトによる支持は骨盤帯の圧縮力を生じ、姿勢制御における安定性や円滑性を獲得できる可能性が示唆された。 本研究の成果は、妊娠中から産後における著明な身体的変化に対し、姿勢制御機構に焦点を当てた新たな視点からの見解を示すものであり、より科学的根拠に基づく妊産婦支援として意義がある。
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