2023 Fiscal Year Annual Research Report
ウエラブルデバイスを用いた周産期の不眠実態の解明と睡眠介入プログラムの作成
Project/Area Number |
20K10905
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊地 紗耶 東北大学, 大学病院, 准教授 (40455837)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 睡眠障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では妊娠中の不眠の実態把握として、東北大学メディカル・メガバンク事業における三世代コホートのアドオンコホートの結果から、妊娠中および産後早期の睡眠が妊娠中及び産後のうつ症状に与える影響を明らかにし、妊娠中の不眠への介入プログラムを作成した。
周産期の不眠と抑うつ症状に関しては、ウエラブルデバイスを用いた詳細な睡眠記録とアプリを用いて縦断的な抑うつ症状の推移を計測した。ウエラブルモーションセンサーによる体動の計測に基づいて総睡眠時間と各睡眠深度(覚醒/浅睡眠/深睡眠)の時間を推算し、睡眠ログにより中途覚醒回数、入眠障害と熟眠感の有無を聴取した。妊娠中期、後期、産後1、2、3、4、6、8週時にエジンバラ産後うつ病自己質問票(EPDS)を実施した。産後1週における睡眠時間は4.3時間であり、その他のいずれの時期に比べても有意に睡眠時間が短く、例えば妊娠中期の睡眠時間(6.8時間)に比べ2.6時間と少なく、その割合は63.2%であった。混合軌跡モデリングを用いて周産期を通した睡眠時間の変動をパターン化すると2群に分かれるが、短時間群では、産後1週間における睡眠時間は3.7時間であることが明らかになった。もともと睡眠時間が短い人は周産期に顕著な睡眠不足となり、抑うつのリスクが有意に高いことが示唆され、睡眠の管理に留意する必要があ ることが示唆される。
これらの知見を下に、妊娠中または妊娠を考えている女性に対する睡眠介入プログラムとして、不眠症に対する認知行動療法を基盤とし、妊娠中及び産後の睡眠に関する心理教育を追加したプログラムを作成した。
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