2020 Fiscal Year Research-status Report
健常な骨量維持・骨改善に必要な身体活動量の基準値の作成
Project/Area Number |
20K10910
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
李 相潤 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (30325914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 智香子 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (80199330)
橋本 淳一 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (90448613)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨密度 / 女性 / 身体活動 / 身体組成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、最高骨量に達している20歳前後の健常な若年女性(令和2年度)と中高年女性(令和3-4年度)を対象に日常生活における身体活動の実施時間と強度が骨に及ぼす影響を検討する。そして健常な骨量を有する若年・中高年の対象者の結果より、1日平均の身体活動の特性(時間と強度)を算出し、「健常な骨量維持・骨改善に必要な身体活動量の基準値」を作成することを目的とする。 令和2年度は、最高骨量に達している健常な骨量を有する若年女性のデータ収集であったが、コロナウイルス感染拡大の影響もあり、参加人数の制限があった。しかし研究の目的である「健常な骨量維持・骨改善に必要な身体活動量の基準値」作成に必要な人数は確保できた。その結果、対象者の音響的骨評価値(OSI)は2.795±0.322で、若年成人平均(YAM)の2.698±0.298に比較して3.5%高かった。YAM 80 %未満の者はいなかったが、要注意が必要なYAM 80≦-<90%にあたるOSI<2.428(=-0.9SD)の者は除外し、2群に分類して解析した。健常な若年女性における骨には脂肪率や脂肪量の身体組成より、筋力や体力に関する身体組成に影響されることが示唆された。また、生活習慣のうち、骨に大きな影響を与える運動習慣を行っている対象者の割合は低く、運動によって健常な骨が維持されているとは言い難い。さらに身体活動量については運動を含む中強度以上(METs 6~)の日常生活の負荷がより最高骨量確保に必要であることが示唆された。これらのことから、健常な若年女性における骨量獲得や骨量の維持には、運動を含む日常生活の身体活動のうち、中強度の身体活動が重要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は最高骨量に達している健常な骨量を有する若年女性のデータ収集であった。令和2年度はコロナウイルス感染拡大の影響もあり、研究の参加人数の制限はあったが研究の目的である「健常な骨量維持・骨改善に必要な身体活動量の基準値」作成に必要な測定人数は確保できた。そして現在まで得られた結果を令和3年度学会で発表予定であり、全体としてはほぼ計画通りに順調に進捗した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度からは健常な中高年女性を対象にデータ収集を行う予定である。ただし、新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、測定時期等に関しては該当地域の担当者と再度調整を行い、測定が困難と判断される場合は9月以降に延期する。さらにコロナウイルス感染拡大の予防策として、大集団測定から小集団測定に変更して実施する。その後、得られた測定データの算出、データ入力、データクリーニング、データ解析を実施する。
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Causes of Carryover |
消耗品などで残った金額で次年度の研究に使用する。
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