2020 Fiscal Year Research-status Report
The condition management application "clinical recording of me and me" for a receive child develops an oral immunotherapy
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20K10917
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
加藤 依子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (80734764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 裕子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教 (00788565)
中安 隆志 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教 (10738587)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 療養行動 / 療養支援 / 日常生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、経口免疫療法をうける食物アレルギー(Food Allergy:以下FA)をもつ子どもの療養行動の習得をねらいとして、情報通信技術(Information and Communication Technology、以下ICT)を活用したFAをもつ子どもの体調管理アプリ「わたし・ぼくのカルテ」の開発と検証を行うことである。本研究において、療養行動の習得とは、原因食物の摂取に伴う誘発症状の内容と重症度、シックデイの対応、エピペンの管理及び手順の知識・技術を身につけ、自らの判断で正しい行動が取れるようになることと定義する。 本研究の課題は4つである。課題1:体調管理アプリ作成に向けた文献検討。課題2:体調管理ツール作成に向けた子どもへの面接調査。課題3:子どものためのICTを活用した体調管理アプリの試作作成。課題4:修正版体調管理アプリの検証。2020年度は、課題1に取り組んだ。 FAの管理は、食物経口負荷試験に基づき、年齢と症状の強さに応じて「必要最小限の食物除去」を行う。その後、食物経口負荷試験により食物除去の解除の可否を判定した後、「食物除去解除の段階」に入る。「食物除去解除の段階」では、安全に摂取することが可能な原因食物の量を設定し、アレルギー症状のないことを確認しながら、摂取する量と回数を増やし、耐性獲得を目指す。 特に、幼児期は、家庭だけでなく幼稚園や保育園などの集団保育先や友人宅での飲食を機会を増やすことから、原因食物に触れる危険性が高まる。しかし、本邦における「食物除去解除の段階」の療養支援に関する研究が少ない現状であった。 そこで、FAをもつ子どもが安全な日常生活を送るための療養支援に関する国内外の研究について網羅的に検討する必要があると考え、FAの療養支援を特定するためにスコーピングレビューを実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は、文献レビューを実施している。本邦におけるFAの研究は、FAをもつ子どもを育てる親の「不安」や「ストレス」などに着目した研究テーマが多く、研究デザインは質的研究がほとんどであった。医療従事者が提供している療養支援をテーマにした研究がほとんどされていなかった。 諸外国におけるFAの研究は、心理社会的な側面を測定する尺度の開発が進んでいた。なかでも、親子の不安や疾患管理だけでなく、日常生活のバランスを総合的に評価するためにFood Allergy Management And Adaptation Scale(以下FAMAS)が開発されていた(Klinnert,MaQuaid,Fedele,et al.,2015)。 現在、複数の検索データベースを用い、FAの療養支援の項目の特定に向けてスコーピングレビューを行っている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
FAをもちながら日常生活を送るためには、原因食物によるアレルギー症状に対処しながら、アナフィラキシーによる生命の危険が回避されるための備えが必要となる。課題2:体調管理ツール作成に向けた子どもの面接調査の前に、実施されているFAの療養支援の実態を先行文献から特定する必要がある。FAの療養支援の実態が特定されると、親が行っている療養行動のうち、子どものセルフケア能力に応じた体調管理ツールを検討するための示唆が得られると考えた。そこで、課題2の前に、FAの療養支援の内容を特定する研究課題に修正を行う。 2021年度は、本邦におけるFAの療養支援に関する研究のほか、FAに関するテキストやFAに関する正しい情報を発信しているホームページやリーフレットの内容、諸外国の諸外国の研究も含め、FAの療養支援の項目の特定を行っていく。FAの療養支援の項目の特定を行った後、修正デルファイ法の手法を用い、FA専門家を対象にFAをもつ子どもが安全な日常生活を送るための療養支援について、「FA療養支援の質指標」を開発していく。FA専門家とは、医師・看護師・薬剤師・栄養士・患者会所属の保護者である。 「FA療養支援の質指標」が明らかになると、FA療養支援の質保証のための枠組みの構築に寄与し、一定水準の療養支援を提供するための基礎資料となる。また、FAの過剰な生活制限の改善や、医療格差の是正、アドヒアランスの向上が期待できる。 2021年度は、新型コロナウイルス感染症拡大を鑑み、研究参加者のFA専門家の負担を最小限とした調査方法を検討し、郵送法による調査と遠隔形式でのデータ収集を計画していく。
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Causes of Carryover |
2020年度に参加する予定であった学会は、オンライン開催となったため、旅費が発生しなかった。 2020年度に使用しなかった予算は、2021年度に予定している専門家を対象とした遠隔形式の会議の運用に使用する予定である。
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