2021 Fiscal Year Research-status Report
重症心身障害児のリロケーションを支援する在宅レスパイトプログラムの開発と検証
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20K10927
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Research Institution | Morinomiya University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
徳島 佐由美 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 講師 (10784689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 優一 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (20511075) [Withdrawn]
白坂 真紀 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40378443)
植木 慎悟 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10779218) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 重症心身障がい児 / 在宅レスパイトケア |
Outline of Annual Research Achievements |
国内外で重度な知的障がいと重度な運動機能障害を重複する重症心身障がい児(以下、重症児)は増加しており、在宅で重症児のケアを実施する養育者の自由な時間を支援するレスパイトケアのニーズは高まっている。しかし重症児は、環境の変化に伴う体調の悪化が報告されているため、養育者と医療者共に施設に入院して実施するレスパイト入院に対する躊躇いがあった。 本研究の目的は、在宅重症心身障がい児のリロケーション(ある環境から別の環境へ移ること)を支援するための在宅レスパイトの技術や工夫に関する具体的な方法を明らかにし、訪問看護師による在宅重症児の在宅レスパイトプログラムを開発することである。 2021年度は、在宅レスパイトケアを実施している訪問看護師へ半構造化面接を実施した。 当初は、近畿圏内の在宅レスパイトケアを実施している訪問看護師へ面接調査を実施する予定であったが、近畿圏内では、対象者の選定が困難であった。そのため全国的にリクルートを行った。またその際、COVID19の感染予防のため、リモートによる半構造面接として計画を修正し、実施した。 その結果、訪問看護師13名の参加を得ることができ、研究分担者およびスーパーバイズを得ながらデータの飽和を確認した。これまで明確にできていなかった、在宅レスパイトケアを実施するための技術や工夫を明らかにすることができた。分析の結果は219コード、33サブカテゴリー、6カテゴリーで構成された。 以上の結果を基に国際学会で報告し、現在は海外ジャーナルへの投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、COVID19の影響を受け、研究代表者、分担者共に研究の実施が困難であった。感染状況をみながら、半構造化面接を対面からリモートに変更し、2021年3月から8月にかけて、全国の重症心身障がい児(以下、重症児)の在宅レスパイトケアを実施する訪問看護師にリモートインタビューを実施した。 当初は、近畿圏内の訪問看護ステーションに依頼をする予定であったが、近畿圏内では、在宅レスパイトケアを実施している訪問看護ステーションの協力が得られなかったため、対象者のリクルートを全国に拡大した。2021年度の医療的ケア児支援法が施行され、現在は徐々に訪問看護ステーションによる重症児への在宅レスパイト事業が拡大されているが、まだ全国的にも実施施設が少数であることから対象者のリクルートの段階で時間がかかった。対象者のリクルートは、縁機法と小児在宅レスパイトケアをHPで掲載している13の訪問看護ステーションへ電話とメールで依頼し、8施設から協力を得ることができた。 分析過程においては、適宜研究分担者および質的研究で博士号を取得している研究者2名にスーパーバイズを仰ぎ、内容の妥当性を確保した。 以上のとおり、COVID19の影響、対象者の協力を得るために全国にリクルートを広げたこと等で進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
第1段階の質的研究の結果は、論文化し海外ジャーナルへ投稿準備中である。 2022年度は、第1段階の研究結果を基に質問紙を作成し、第2段階の研究として、全国の訪問看護ステーションへ重症児の在宅レスパイトケアにおける必要な看護技術と工夫として、質問紙調査の準備中である。前年度実施できていない全国調査を繰り越して実施する。
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Causes of Carryover |
2020年度実施予定であった内容がCOVID19等の影響で1年遅れているため、2021年度に予定していた内容が2022年度に予定している。2021年度の繰り越し金は、海外ジャーナルへの投稿費用および全国調査の業者委託費用に充てる予定である。
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