2022 Fiscal Year Research-status Report
先天性心疾患児の社会適応力を育成する症状マネジメント支援プログラムの開発と検証
Project/Area Number |
20K10931
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
桶本 千史 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (00587975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 ともみ 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (80262517)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 先天性心疾患 / 症状マネジメント / 体調管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、先天性心疾患(Congenital Heart Disease:以下、CHD)児が日常生活上の様々な活動遂行の可否や程度を自身で判断し、決定する能力をその生育過程において培うために、症状マネジメントの実施と支援の方策を見出し、CHD児の社会適応促進の一助とすることである。そのため、本研究においては、①CHD児とその養育者がどのように症状マネジメントを実施し、確立するかを明らかにすること、および、②CHD児と養育者の症状マネジメント実施への関連要因を検証し、明らかにすることを研究目標として掲げている。 上記の目的・目標に基づき、CHD児とその養育者に対してインタビュー調査を実施する予定としていたが、全国的にCOVID-19感染拡大状況が続いており、罹患した場合に及ぼす被害の大きさ、それに対する不安の大きさを考慮し、CHD児に対する直接インタビューはまだ実施できていない。 インタビュー調査の遂行が遅延する中、令和3年度より、令和2年度に実施したCHD乳幼児の母親に対する質問紙調査の分析を進めていたが、CHD養育者においては、CHD児の「症状マネジメント」という概念よりも、「体調管理」という概念を用いた方が、より当事者意識に近い形でインタビュー調査を行えると判断した。そのため、令和4年度は、「CHD乳幼児の養育者が我が子の体調管理方法を確立するプロセス」として研究計画書を倫理審査委員会に提出し、研究実施の承認を得た。現在、感染予防・管理に配慮しながら、CHD児の養育者に対するインタビュー調査を実施中である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究目的に沿って、調査対象者に対して半構成的面接法を用いた質的記述的研究の実施を予定していたが、COVID-19感染対策に従い、調査対象施設への立ち入り、面接実施方法の再検討が必要となった。また、COVID-19感染者に対する対応、感染予防対策の検討など、研究活動以外の教育活動に割かれる時間の増大、さらに職場環境における人員数の削減が重なって、予定よりも大幅に研究活動時間を確保できない状況に陥り、研究の進捗に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
CHD児に対しては、COVID-19に対する感染対策・配慮は引き続き必要と考えるが、心臓外科手術前後などの急性期状態にある患児・家族を避けながら、それ以外の状態が落ち着いている、まずは養育者に対して、引き続きインタビュー調査を実施し、分析を行っていく。 CHD児自身へのインタビューについては実施可能か否か、その実施方法等について引き続き検討する。養育者に対するインタビュー内容を分析した上で、その結果を踏まえて、患児に対するデータ収集方法を直接面接方法ではなく質問紙調査等によるデータ収集方法に切り替えられないか、より対象者が不安なく研究に参加できる方法を具体的に検討し、CHD児自身からのデータ収集を遂行するための準備をする。
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Causes of Carryover |
当初、インタビュー調査開始時期を令和3年度としていたが、COVID-19等の影響により調査の実施が遅延した状態が続いている。そのため、研究参加者に対する謝礼金や調査時に必要となる感染対策に係る物品、データ収集・分析時に使用する文具等への費用を残す形となった。現在、インタビュー調査を実施中であり、これにあわせて前述の通り、感染対策に係る物品、研究参加者に対する謝礼、データ分析時に必要とする文具等の物品費として、次年度以降使用予定である。
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