2023 Fiscal Year Research-status Report
先天性心疾患をもつ子どもの病気認知を促進する重要他者によるかかわり方モデルの構築
Project/Area Number |
20K10934
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
仁尾 かおり 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50392410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 千章 清泉女学院大学, 看護学部, 教授 (20643795)
松本 宙 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (00783250)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 先天性心疾患 / 病気認知 / 思春期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学童期~思春期(小学生~高校生年代)の先天性心疾患をもつ子どもの病気認知(自分の病気や病気がもたらす結果をどのように知覚し、受けとめているかという病気全般に関する考え)及び、病気認知に影響する要因を質的に明らかにすることである。成人移行期へ向かう学童期・思春期の子どもの病気認知を明らかにすることは、病気をもつ子どもを理解する原点であり、病気を持ちながらより良く生きていくことを支援する第一歩となる。また、病気認知に影響する要因を明らかにし、小児期に適切なかかわりをもつことは、小児期のみならず、生涯を通しての生活の質向上につながると考える。 対象者および人数は、先天性心疾患をもつ思春期(認知の発達が形式的操作気以上の11歳~18歳)の子どもを対象とし、10名のインタビュー調査を実施した。研究参加者の選定にあたっては、全国心臓病の子どもを守る会本部より紹介された支部の代表者へ研究の説明を行い、選定された保護者と子どもに対して、対面またはWeb会議システムを通して、研究の詳細を説明した後、調査を実施した。インタビューはインタビューガイドに基づく自由回答式質問を用いた1対1の個別インタビューを行った。主な質問内容は次の6点とした。①自分の病気について知っていること、②学校や家での生活で、どんな時に自分が病気であることを感じるか、③学校や家での生活で、病気のために困ったこと、困っていること、④病気はあなたにとってどのような意味(良い面と悪い面)があるか、⑤これまでの病気に対する思い(の変化)について、⑥あなたの周りの人たちは、あなたの病気や病気に関連した体験にどのくらい関わっているか。 現在、10名から得られたデータを分析中である。その結果に基づき、今後、病気認知に影響を与えているが予測される保護者、学校教諭、医療者のインタビュー調査を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は新型コロナウイルス感染拡大と同時の2020年より開始した。研究対象である先天性心疾患の疾患上の特徴から、感染拡大時には感染予防のため、インタビュー調査の依頼を控えていた。2023年に入り感染状況が落ち着いたことから、インタビュー調査を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず、先天性心疾患児のインタビュー調査で得られたデータについて、病気認知及び病気認知に影響する要因に分けて分析を進める。分析終了後は、その結果に基づき、先天性心疾患児の病気認知に影響を与えているであろう保護者、小児循環器医、学校教諭(担任、養護教諭)等にインタビュー調査を実施し、病気認知に影響している要因を明らかにする。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査が遅れていること、および、インタビュー調査をWebで実施することが多かったため、旅費の使用が予定より下回った。2024年度は保護者、医師、学校教諭にインタビュー調査を拡大して実施するため、旅費の使用が増加する。学会発表のための準備、旅費の使用も予定している。
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