2021 Fiscal Year Research-status Report
流死産から始めるケアシステムの構築~悲嘆過程から育児期を支える継続支援~
Project/Area Number |
20K10936
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
片岡 久美恵 岡山大学, 保健学域, 准教授 (20613780)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中塚 幹也 岡山大学, 保健学域, 教授 (40273990)
井田 歩美 摂南大学, 看護学部, 教授 (70549203)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 不育症 / ケア・システム / 精神的支援 / 情報提供 / 流産 / グリーフケア / 死産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,不育症女性が流死産から次子の子育てに至るまでのケア・ニーズを明らかにし,周産期の悲嘆過程に沿った継続したケアシステムを構築することである。 本年度は、COVID-19禍における妊娠を希望する女性(不育症女性を含む)の思いについて、ソーシャルメディア上への投稿を分析し,明らかにした。研究対象は,不妊治療の有無にかかわらず妊娠を希望する女性が,株式会社ベネッセコーポレーションの管理するコミュニティサイトに投稿したもののうち、COVID-19に関連した内容99件である。発言内容を精読し,分析を行った結果、妊娠を希望する女性は,COVID-19感染拡大により,妊娠活動を休止するか継続するかを迷っていた。一方で,COVID-19禍での治療等に不安を抱き,加えて妊娠した場合の不安をイメージしつつも治療を継続する理由は,年齢的なタイムリミットを自覚していることが大きく影響していた。COVID-19禍において、妊娠を希望する女性は不妊治療などの妊娠活動を継続するかどうかの意思決定に困難を感じている現状が明らかとなった。医療者は、様々な状況下においてもできる限り正確な情報提供を行うことが求められており、個々の置かれている状況に配慮し、価値観を尊重した上で意思決定を支える援助の必要性が示唆された。With コロナの生活の中で安心できる継続支援の必要性が明らかとなった。 また、育児中に流・死産した母親の体験と上の子との関わりを明らかにし、母親への支援を検討することを目的として、育児中に流・死産した母親3名に対し,半構造的面接を実施した。インタビュー内容から逐語録を作成後,質的帰納的に分析している。その結果から、次年度は,必要な支援を考察し支援に繋げるよう考察を深め、学会等で発表するなどして支援の必要性をさらに啓発することとするとともに、グリーフケアの実態調査の準備を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの収束が見通せない中で、大学教員のマンパワー不足等による業務の増大により、研究活動が計画通りに進まないということも、理由の一つとしてあることは否めない。 さらに、今年度も医療機関での新型コロナウイルスの感染防止の観点から、関係各所との検討会を開催できなかったこともあり、遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、新型コロナウイルスの感染状況を見極めながら、不育症女性が流死産後に受けたグリーフケアについて関係する各施設・期間との検討会を開催し、現状と課題を見出すことから始め、ケア・システム構築のための一歩とする。 大学教員としての教育のための責務を果たしながら、研究に費やす時間を確保するよう努める。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、実態調査が延期された。 できるだけ早く、実態調査に着手できるように2022年度は関係各所との検討会の実施と文献検索等を行う予定である。
|
Research Products
(1 results)