2022 Fiscal Year Research-status Report
親による乳幼児への体罰を防ぐための支援ガイドラインの開発
Project/Area Number |
20K10946
|
Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
三國 久美 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (50265097)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草薙 美穂 日本医療大学, 保健医療学部, 教授 (90326554)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 乳幼児 / 体罰防止 / 育児支援 / ガイドライン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、乳幼児の親に関わる支援者にとって活用可能な「親による乳幼児の体罰を防ぐための支援ガイドライン」を開発することである。 研究に着手して3年目にあたる令和4年度は、新型コロナウイルス感染症の蔓延状況が落ち着いた5月から6月までの期間に、乳幼児を持つ母親13名を対象とした面接調査を行った。明らかにしたい内容は、①母親が対応に困る子どもの行動とはどのようなもので、それはどのような状況で起きているのか、②子どもの困った行動に母親はどのように対応しているのか、の2点であった。面接調査の結果、乳幼児を持つ母親が困っている子どもの行動として、【何かと目を離せないことをする】、【母親の都合に合わせて動かない】、【母親のエネルギーを消耗させる】、【「よい子」からはずれたことをする】の4つのカテゴリーが抽出された。また、母親がおかれた状況として、子ども中心の生活をしており、時間や手間がかかる子どもの行動に付き合わなければいけないこと、母親自身や世間一般が考える「よい子」像のイメージを常に意識しており、そこから外れた行動に困ったと感じていることが明らかになった。なお、この調査で得られたデータは、コロナ禍の影響を受けている可能性もあることから、慎重な解釈が必要である。現在は、さらに分析を進め、乳幼児を持つ母親が子どもの困った行動にどのように対応しているのか、質的分析を行っているところである。また、これらの研究成果を令和5年度中に学会誌に投稿するため、準備を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度に実施する予定であった乳幼児を持つ親を対象とした面接調査を1年遅れて令和4年度に実施した。遅れた理由は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、保育園や幼稚園の閉鎖が発生したこと、それに伴い、感染対策が厳重になり保育園や幼稚園に第3者である研究者が入って面接調査を行うことの承諾が得られなかったことが挙げられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の収束にともない、本研究における面接対象者である市町村保健師や保育関係者の業務負担が改善しつつあるため、面接調査が可能であると考えている。 当初の計画からほぼ2年遅れているが、令和5年度には育児支援者に体罰を防ぐためにどのような支援を行っているか、またどのような支援が効果的であると考えているかについて面接調査を行う予定である。対面による面接調査が難しい場合は、オンラインの使用も予定している。
|
Causes of Carryover |
令和5年度には、子育て支援に従事する市町村保健師や保育士等を対象とした面接調査を実施し、研究協力者への謝礼、テープ起こしに要する費用を支出する予定である。
|