2023 Fiscal Year Research-status Report
親による乳幼児への体罰を防ぐための支援ガイドラインの開発
Project/Area Number |
20K10946
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
三國 久美 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (50265097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草薙 美穂 日本医療大学, 保健医療学部, 教授 (90326554)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 乳幼児 / 体罰防止 / 育児支援 / ガイドライン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、乳幼児の親に関わる支援者にとって活用可能な「親による乳幼児の体罰を防ぐためのガイドライン」を開発することである。 令和2年度に開始した本研究は、新型コロナウイルス感染症の蔓延による影響を受け、データ収集が困難な状況が続いたが、令和4年度には母親を対象に面接調査を行い、データ収集を行うことができた。令和5年度は、さらにデータ分析を進め、乳幼児をもつ母親が困っている子どもの行動について、質的分析を行い、その成果を学会誌に投稿した。さらに、乳幼児をもつ母親が困っている子どもの行動に対してどのように対応しているか、質的分析を進めた。その結果、子どもの困った行動への母親の対処として、11のカテゴリが抽出された。子どもへの直接的な対処には、【子どもの困った行動に備える】【子どもが切り替えられるようにする】【子どもに教育的な声掛けをする】【子どもを尊重する】【子どもに強要する】があった。母親自身が認知的に行う対処には、【折れる】【子どもに巻き込まれないようにする】【心の安定を保つ】【内省する】【子どもの成長への見通しをもつ】があった。社会資源を用いた対処には、【母親以外のリソースを使う】があった。母親は子どもの困った行動の内容や程度、周囲への影響、自分の置かれている状況などによって、いくつかの対処方法を使い分けたり、組み合わせて同時に使用したり、順序性を持たせたりと様々なバリエーションをもって子どもの困った行動に対処していた。体罰を含む<身体的に強要する>という不適切な対処に至らないように,子どもの発達や母親の状況にあった対処を母親とともに検討し母親が複数の対処法を持てるような支援が望まれた。この研究成果を学術集会に発表するとともに、学会誌に投稿するため、準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度から令和4年度までは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、本研究の対象である乳幼児をもつ母親や育児支援を担う市町村の保健師及び保育関係者への面接調査が全面的に制限された。厳重な感染防止対策により、乳幼児をもつ母親や保育関係者へのデータ収集を行う承諾が得られなかった。また、市町村の保健師には、新型コロナウイルス感染症のまん延防止のための業務が優先され、本研究への協力が得られる状況ではなかった。これらのことから、本研究で当初計画していたデータ収集が実施できなかったことが理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、面接調査が開始可能な状況である。また、体罰防止に関する先進的な国ではどのような取り組みを行っているのか、日本でも活用可能な取り組みはないか、国外にも調査を広げていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、データ収集の開始がほぼ2年遅れた。令和6年度は、昨年度までの研究成果を学術集会で発表する予定であり、その旅費と参加費が必要になる。さらに、国内の市町村保健師に加えて、体罰防止の先進的な取り組みを行っている国外に目を向け、どのように育児支援を行っているのか、日本においても活用可能な取り組みはないか、視察を行う予定である。そのため、国内外で調査を行うための旅費や謝金が必要になる。
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Research Products
(1 results)