2021 Fiscal Year Research-status Report
ヘルスプロモーションとセーフティネットの実践に対応した公衆衛生看護技術の体系化
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20K10955
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
佐伯 和子 富山県立大学, 看護学部, 教授 (20264541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 美千代 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (50466447)
大木 幸子 杏林大学, 保健学部, 教授 (50453519)
岩崎 りほ 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (40760286)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 公衆衛生看護学 / 看護技術 / 技術の体系化 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、公衆衛生看護技術の体系化に向けて多面的に検討を行った。1.保健師との活動の類似点が多い社会福祉士の分野における技術の構成を教科書等から分析し、公衆衛生看護学の技術の体系化の参考になる点を検討した。公衆衛生看護学の理念の前提および理念の技術化を図った。理念型技術の前提となる理念は、人を対象とする分野に共通する「人権尊重」を置き、理念として「社会的公正」と「Health for All」を公衆衛生看護で重視する理念として設定した。2.公衆衛生看護学の教科書分析を行い、基礎教育における公衆衛生看護学の技術体系の実態を明らかにし、教科書等の分析では抽出が困難な技術についての課題を検討した。3.ミネソタモデルの技術の中から「Referral and follow up」「Counseling」「Health teaching」「Screening」「Case finding」について目的と技術について検討した。 公衆衛生看護技術の体系化の枠組みとして、4つの理念型技術および19の理念型実践の中核型技術の概念を抽出した。さらに、公衆衛生看護の視点(対象の理解、健康の意味付け、モノの見方)、実践の基盤(思考技術、コミュニケーション技術、プロセス展開、デジタル技術)、アセスメント(健康課題の特性と状況分析)、関係構築、実践/介入/支援(エコシステム別対象支援技術、平時と危機時の技術など)の要素を抽出した。公衆衛生看護技術を理念を含めてとらえることで、活動の目的を明確に意図することができる。これによって、How toの技術から、Why/Whatを意識した技術の行使と活動の転換が図られることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大のため教育上の配慮が必要となり、教育のためにエフォートを費やすこととなった。また、学部開設3年目であり、大学院および専攻科開設に向けての準備に時間を費やしたため、研究に十分な時間を確保できなかった。 また、公衆衛生看護技術の体系化に向けて検討をしているが、体系化の構造案の設定について試行錯誤が続いており、予定していた段階よりも遅れる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
公衆衛生看護技術の体系化において、その大枠の構造案を設定する段階まで進展したので、今後はその枠組みの具体的な内容を言語化し、既存の表現や近接領域での表現を探索し、必要時技術の命名を検討する。 技術を階層化し、構造体系案が構築された段階で、専門家へのインタビューを行い、公衆衛生看護技術体系の妥当性の検討を行い、課題を明確にする。専門家からの意見や指摘事項に基づき技術体系案の修正を行う。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大のため、対面での会議が開催出来なかったことや国内学会国際学会ともにWEB開催となったことで旅費の使用がなかった。また、教育等の学内用務に時間を取られたため、十分な研究会議と討論が進まなかったため繰越金が生じた。次年度は専門家インタビューを予定しており、旅費及びテープ起こしの費用等が発生するため、繰り越した研究費用と併せて使用する予定である。
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Research Products
(3 results)