2020 Fiscal Year Research-status Report
Ethical behavior and support model in health care service processes among community-dwelling elderly and their families
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20K10963
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
斉藤 恵美子 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (90251230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 由紀 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80381713)
呉 珠響 東京医科大学, 医学部, 准教授 (80511401)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 倫理 / 地域包括ケア / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域に居住する高齢者とその家族の困難な事象に関する研究は蓄積されつつあるが、地域での事例に関する倫理的な課題に関する研究は数少ない。そこで、2020年度は、支援過程での困難な事象と支援の実態を明らかにするために、看護・医療・福祉の関連文献とインターネット上のオープンアクセスの事例集等を検討した。また、2019年度までに取り組んできた地域包括支援センター看護職を対象とした調査データの二次分析として、「倫理的な状況や課題が生じた際に支援として心がけたことについて」の自由回答欄に記載があった73票129件の記述について、類似性・相違性を比較した。分析の結果、11カテゴリに分類され、「本人を尊重し信頼関係を構築する」「家族を尊重し信頼関係を構築する」「本人の意思と生命の危険を見きわめる」「本人と家族の多様な背景と状況を理解する」「本人と家族の立場にたって最善の選択を考え続ける」「先の見通しを立てる」「一貫性、公平性、継続性を考えながら、丁寧に接する」「看護職の考えを本人や家族に伝える」「本人に関わる人々に理解を求める」「センター内外の多職種で支援する」「関係機関に相談し、連携する」などの倫理的な課題が生じた際の支援が明らかとなった。これらの結果から、地域包括支援センター看護職は、倫理的な課題が生じた場合には、本人・家族との信頼関係を構築して状況をアセスメントし、多職種や関係機関と連携して支援していることが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は文献検討の作業に取り組み、現状分析と課題、調査項目の抽出を進めた。文献検討の結果についてはさらに精選する必要がある。また、2019年度までに取り組んできた調査データ(既存データ)を利用して、支援が困難な事象に関する項目について二次分析を行った。質問紙郵送調査については、新型コロナウイルス感染拡大の状況から、実施を2021年度に延期した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は文献検討の結果をもとに分担研究者と検討して、質問紙調査を実施する。また、これまでの研究成果について、関連学会で発表する。
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Causes of Carryover |
2020年度に計画していた質問紙郵送調査については、新型コロナウイルス感染拡大の状況から、実施を2021年度に延期した。質問紙郵送調査は2021年度に実施する予定であるため、2021年度に必要な経費を使用する予定である。
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